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2005/06/26
デルタコントラクターズ・ソーのインサートを作ることにしました。まずは、板材に罫書きをしてカットします。薄く鉛筆の線が入っているのが見えるかと思います。元々のインサートを模りしたもので特に採寸までしていません。完全現物合わせです。
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R(アール)の部分をノコで荒取りしています。
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荒取りが終わったところです。少し現物より大きいのがわかります。仕上げ加工します。仕上げは鉋とタジマ製のサンダーで行います。
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仕上げが終わったところです。綺麗にR(アール)になっています。装着時にもう一度微調整をする予定です。
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2005/07/18
やっと、インサートの製作にもどります。
外形の仕上げの続きです。いよいよ、インサートにノコ刃の口をつけます。テーブルソーにインサートをはめ込みます。このときノコ刃は一番下に収めた状態にしておきます。それでもノコ刃と干渉してインサートが少し浮いた状態になります。ノコ刃とインサートが接触しないように保持してから、テーブルソーの電源を入れます。そして、そっとインサートを押し付けます。押し付けるときは、ノコ刃の位置に指や手が来ないように注意が必要です。左写真が最後まで押し付けたところです。ノコ刃との干渉がなくなり、テーブルにはまった状態です。ここでいったん電源を切ります。
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フェンスをインサートの上に載せて固定します。このとき、フェンスがノコ刃の上にこないように注意します。ノコ刃を回転させながら上昇させるという危険な操作をしますので、インサートを手で押さえてはいけません。そのためにフェンスでインサートを押さえてやるわけです。
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いよいよ、口を作ります。電源を入れて、回転が安定したところでゆっくりとノコ刃を上昇させます。写真は、ノコ刃が出てきたところです。
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ノコ刃を最上位まで出したところです。これで口が開きました。ノコ刃で切削したため、開口部はノコの厚みと一致しており、ゼロクリアランス状態になります。
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インサート面とテーブル面を一致させ、インサートのガタツキをなくすためにネジによる高さ調整を作ります。そのための下穴を開けたところです。
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次に、インサートの板厚はもともとテーブル面とほとんど同じになる厚みだったので、このままでは調整幅がありません。そこで高さ調整しやすいようにわざと板厚を薄くして調整幅を稼ぎます。調整用のネジ周辺だけでよいので、両端のみトリマで薄くしています。もともとの板厚は15mmで、13mmの鬼目ナットをはめ込むため、2mmだけ薄くします。
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板厚を薄くしたことにより、調整幅を稼いだところです。これで2mm弱程調整できます。
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これが、鬼目ナットです。学習机の時にウッドアンカーの名称で使いました。鬼目ナットは六角レンチでねじ込みます。鬼目ナットの内側の穴にはM6のネジが切ってあり、M6のネジを通すことができます。
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M6のホーローセット(六角穴付止めネジ)です。これを鬼目ナットに通して、調整用にします。
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鬼目ナットを六角レンチでねじ込んだところです。鬼目ナットは鬼目のネジ切り部分が大きいのでねじ込みに注意が必要です。特に今回は端の方に下穴を開けているので勢い六角レンチでねじ込むと端が割れてしまう恐れがあります。半回転ねじ込むと1/4回転戻し、また半回転ねじ込むと戻すという具合にゆっくりねじ込みます。
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インサートの上面です。鬼目ナットの上面はインサートの上面と同一か少し低い状態にします。上面が出っ張るとカット時に引っかかりキックバックを誘発します。当然、材に傷がつきます。
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ナットにホーローセットをネジ止めているところです。いよいよ完成か?!
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ホーローセットが15mmあるので少しインサートの上面に出っ張ることがわかったので、グラインダーでホーローセットの六角穴の端面を研削しました。朱書き矢印のようになり、上面より低くすることができました。
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インサートの後端にネジ留めをして、ノコ刃によるインサートの跳ね上がりを防止します。ネジ留め部分がテーブルに引っかかり、跳ね上がりが防げます。後端側はノコ刃が下から上に回ってくるので、カットした木片などが噛んだ途端にインサートが跳ね上がる可能性があります。標準装備のインサートに工夫されていたので、同様に施しました。
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テーブル上面の高さに合わせて、ガタツキもしないように六角レンチで高さ調整して、インサートの完成です。ノコ刃とゼロクリアランスのインサートができました。このインサートはノコ刃垂直専用です。
チルト用を新たに用意するか、このインサートをチルトでも使えるようにするかは、別途考えます。