【道具・工具】テーブルソーの組立て・調整

道具・工具
デルタ製コントラクターズ・ソー

2005/2/26
 待ちに待ったデルタ製コントラクターズ・ソーが届きました。この日付は、届いた日を記載しています。実際には、1月5日にメールで見積りを依頼して、その日のうちに見積もりを頂き、価格、納期を検討し1月7日に発注しました。在庫がなかったので納期は約2ヶ月位という回答でした。個人的にこれほどの長納期品は、はじめてでした。
写真は届いたときの梱包です。これだけの大物は家に入れるわけにもいかず、工房が完成していてよかったです。

日本語マニュアル

 マニュアルは、英語版と日本語版が付いていました。重量物の組み立ては危険が伴いますので日本語マニュアルは重要だと思います。いちおう、英語と日本語の各マニュアルを見ながら進めます。

モービルベース

 モービルベースを組み立てたところです。この上にコントラクターズ・ソーを載せます。これで工房内を移動できます。狭い工房には必需品です。組み立てはいたって簡単、写真上の出っ張り部分をボルトで取り付けただけですが、この大きさにすこしびびってます。この工房には大きすぎた感があります。

接地固定状態

 この状態が、接地して動かない状態です。四隅のうち2つに車が、2つがゴム足がついていて、この状態のときにゴム足が接地して動かなくなります。

移動可能状態

 この状態が、移動可能な状態です。ペダルを足で踏む込むことで、テコの原理で簡単にゴム足が浮き、3つの車で移動できます。

スタンドの組み立て

 テーブル本体を載せるためのスタンドを組み立てました。滑り台のところが切粉を排出する部分です。この滑り台をスタンドにネジで取り付けますが、ネジ穴にネジが切っていないので、ねじ込むのに相当の力がいります。マイナスビットを持っていなかったのでインパクトドライバも使えず疲れました。

テーブルの据え付け

 テーブル本体を据え付けたところです。テーブルと本体は梱包時点で取り付けられており、本体ごとスタンドに取り付けます。取付のポイントは、テーブル本体を下にして、上にスタンドを逆さに載せて取り付けることです。スタンドと本体を8本のボルトで固定しますが、スタンドの上に本体を載せてしまうと重たすぎてボルト穴をあわせることができません。また、スタンドは本体に固定してはじめてスタンドとしての強度がでます。不安定なスタンドの上に重いテーブル本体を載せるのは転倒など事故の元です。逆さの状態でボルト留めしたあと、ゆっくりひっくり返します。スタンドの足を支点に起こせば、何とか一人で作業ができます。でもひとりで組み立て作業はしないでください。本当に危険です。半端な重さでないですから。総重量で100Kgありますから。
大切なテーブルは、鋳鉄製で上面をフライス盤で研削して精度を出しているようです。

誘導モーター

 これは、ノコ刃をぶん回すモーターです。でかい!大きさがわかるように長さ20cmのスケールを置いておきました。230Vまたは115Vで回せるモータです。日本の100Vでも問題なく回ります。コンセントもアース付の3端子ですが、2端子の変換コネクタが付いています。このモーターは誘導モータでブラシがないため非常に音が静かです。この音の静かさで選んだようなものです。ブラシによる汎用モータを使ったテーブルソーも3万円ぐらいでホームセンターで売っているのですが音の大きさと小さなテーブルのため買う気になれませんでした。悪いというわけではなく目的に合わなかったというだけです。
(追記:2020年5月時点:モーター上部の2つの出っ張りは、モーター始動用のコンデンサーが入っています。誘導モーターを回すには、三相の電源が必要ですが、家庭用の単相100Vで回せるよう始動時にコンデンサーを使って位相を90度ずらして回転させています。)

モーター取り付けとトラブル

 モーターを取り付けたところです。Vベルトでノコ刃の軸を回します。モーターが重いので取付は、注意が必要です。
今でこそ笑い話ですが、写真のようにモーターを取り付けた後に、試運転のために電源スイッチを入れたところモーターがウィーンとうなってしばらくしてブレーカーが落ちてしまうトラブルに陥りました。モーター起動時の電流が20Aを越えるためにブレーカーが落ちたものと思い込んでしまったため、原因特定に1週間かかりました。まあ、1週間といっても実際には土・日だけですが。200V仕様に設定されているのかとモータの電源部分を分解したりもしましたが問題なかったです。実の原因は、ノコ刃側のVベルトをかけるプーリにVベルトがかかっておらず、Vベルトがプーリと本体の間に引っかかって、ロックされた状態だったためにモーターが回らなかったのです。(追記:2020年5月時点:モーターが回らないため、回そうとして電流がさらに流れ込み20Aを超えてブレーカーが落ちました。)、お恥ずかしい。プーリーにVベルトを正しく掛けたところ、スムーズにモーターが回りました。ハッハッハッ。

組み立て完了

 組立が完了したところです。補助テーブルの取付、ユニフェンスの取り付け、スイッチの取付を終えたところです。

ノコ歯の平行出し

 次にノコ刃の平行出しを行います。実はこの平行出しができずに、1ヶ月かかってしまいました。
写真のようにノコ刃とマイターゲージのための溝と平行になるように調整します。まずは、測定します。ノコ刃の手前と奥でそれぞれ溝との間隔を測定します。測定したところ、2mmの差がありました。

トラニオンの調整

 2mmの調整は、テーブルの裏にあるトラニオンのボルト(写真)を緩めてトラニオン部分を軽くたたき調整します。トラニオンは前後に2つあり、4本のボルトで固定されています。4本ともボルトを緩めて調整します。ところが、私のところに届いたテーブルソー固有の問題なのか、この形名のテーブルソーが全てそうなのかわかりませんが、遊びがあまりなく、2mmを調整できませんでした。
幅を広げたい方向には広げられず、狭める方向にしか遊びがなく、またもうひとつのトラニオンにおいて幅を狭めたい方向には狭められず、広げる方向にしか遊びがありません。販売元に問い合わせても、ただがんばれとしかアドバイスがなく。やっぱり米国メーカはいい加減なのか!?どんな設計、品質管理をしているのか疑いたくなります。 

トラニオンの取り外し

 販売元、メーカーは当てにならないので、改造することにしました。まず、手前のトラニオンを取り外します。トラニオンを取り外すとトラニオンに支えられている本体が落下するので、クランプで支えておきます。この状態で2本のボルトを緩めてトラニオンを取り外します。これ以後は私が行った方法なので、同様にされる場合は自己責任でおこなってくださいね。

取り外したトラニオン

 取り外した鋳鉄製のトラニオンです

ボルト穴の拡張

 トラニオンのボルト穴を鉄工用の丸ヤスリで拡張します。遊びが欲しい方向にボルト穴を拡張します。鋳鉄製なので簡単にヤスリで削れます。片側のトラニオンで調整させるので2mmほど拡張しました。

拡張したボルト穴

 トラニオンのボルト穴を拡張したところです。朱書きの丸がもともとのボルト穴で、遊びが欲しい方向に拡張しています。拡張したトラニオンを元に戻してノコ刃の平行出しを行いました。やっとのことで2mmの誤差を補正して、ピッタシ平行出しができました。

インチ系工具

 米国製の機械なので、ボルトなどは全てインチ系のものです。ソケットや六角レンチもインチ系のものをそろえておく必要があります。インチ系は数少ないので、mm系よりお高くなっています。

ガードの取り付け

 ガードの取付も改造が必要でした。白の矢印部分の取り付け面がはノコ刃面と同一面になる必要があります。同一面になっていないと切削時に矢印のところで切断途中の板が引っかかってしまい切削ができなくなってしまいます。これも事故の原因になります。
この同一面に調整することもやっぱりできませんでした。これも2mm程度のノコ刃面との差ができてしまい、調整しようとしても遊びが少なく調整できません。

ガード取り付け金具の研磨

 写真の金具は、ガードをテーブルソー本体に取り付けるための金具です。金具のボルト穴の遊びで調整するのですが、遊びの範囲が狭いので調整しきれません。ここでは朱書きの線で示した面を矢印の方向にグラインダーで研磨することにしました。結局、2mm弱程度研磨しました。これでなんとかノコ刃面とガード面が面一になりました。

組み立て完了

 これでほんとうに組立完了しました。今日は2005年4月9日です。2005年2月26日に納品されてから、実に1ヶ月半かかりました。調整に苦労しました。たまたま届いたものがそうだったのかは知る由ありませんが・・・。精度を出すための仕組みがもう少し欲しいところです。精度を出すための苦労は惜しみませんが、精度を出せる状態に持っていかないといけないところが悲しいです。
実はまだ課題があり、ノコ刃を45度に傾けるとノコ刃とインサートが干渉してしまいます。このままでは45度の切削ができないのでインサートを製作しないといけません。インサート自体を製作することは別に問題ではないのですが、製作しないとテーブルソーが使えないのが・・・。

モールディングカッター

 これは、オプションのモールディング・カッターです。写真右の円盤の3つの溝に、カッターをネジ止めして軸に取り付けます。カッターの断面の形状で掘り込むことができます。トリマーでは構造上、基本的に溝加工を除いて面取りしかできませんが、モールディング・カッターを使うことで直線の制限はあるものの板面のどこにでも掘り込むことができます。試してみたいと思います。

6インチ溝カッター

 これもオプションの6インチ溝カッターです。写真上の2枚の円盤状のノコ刃の間に、写真下の細長いカッターを必要な溝幅になるように挟み込んで、軸に取り付けます。トリマーでも同じことができますが切削能力が大きいので効率よく造作できそうです。 

インサート

 これは、モールディング・カッターと溝カッター用のテーブルソーインサートです。はじめインサートはなんのことかわかりませんでした。届いてはじめて知りました。ものは知っていたのですが名前を知りませんでした。木工関係のHPを見ると皆さん工夫して自作しているようですね。インサートとノコ刃との隙間が大きいと薄い木片が隙間から落ちる避けたいようです。

10インチソー

 梱包に据え付けてあるノコ刃は、荒切りのような刃ですが、こちらは細身で刃の間隔が狭く精密切断ができそうです。

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