サンドブラスターを自作してみるの2回目になります。
その前に、1回目のブログに「ハンドリベッターの使い方」と「ドラムサンダーによる研磨」の動画を追加しましたので、よかったらご覧ください。
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前回までの振り返りです。
ブリキの板を使ってグローブを取り付けるためのO(オー)リングとシナ合板を使ってキャビネットに取り付けるためのOリングを作成しました。まだ、それぞれのパーツを作っただけで組み立て前です。
ブリキ部とシナ合板部の組付け
今回は、Oリングを完成させたいと思います。
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仮組したOリングを固定します。
固定するためにOリングの内側からネジ止めしようと思います。
ネジ止めはOリングの内周120°間隔で3か所にします。3か所をポンチでマーキングします。120°と言っても分度器は使わず、こんなもんかなという感覚です。固定できればよいので精度不要です。
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ちょっと見づらいですが、Φ2.5のドリルビットを使って下穴をあけました。貫通させません。
Oリングの内側に穴をあけるので、ドリルのシャフトの長いものを使って、できるだけまっすぐに開けました。
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Oリングの内側のネジ止めは丈の長いドライバーでは作業がしづらいです。そこで、丈の短いドライバーを使います。
これは、ベッセル(VESSEL)極薄 板ラチェットドライバーです。
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ネット通販を見てみると、こういうデザインのおしゃれなラチェットドライバーもありました。
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ネジはトラス小ネジを使いました。
トラス小ネジとは、ネジ頭部が大きく丸みを帯びているネジです。Oリングの内側は腕と接触する箇所です。できるだけ突起にならないものを使います。
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こんな感じで3か所をねじ止めしました。よく見るとハンドリベッターで止めたところも突起が出ていますね。これでは、腕を抜き差ししたときに傷してしまいそうですね。
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研磨して極力平にしておきました。研磨しすぎると、リベットが取れてしまうのでほどほどにしておきます。
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ブリキとシナ合板の接合部に隙間があります。ここからも研磨材の粉塵は漏れる可能性があるので、コーキング剤で目止めします。
このコーキング剤は、3年前にトイレの壁紙を貼り換えた時の余りです。きっちり蓋をしていたので今でも使えました。
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コーキング剤を隙間に充填したところです。はみ出たコーキング剤は、コーキングヘラで剝ぎ取り、最後はウエスなどでふき取ります。
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コーキング剤で埋めたところです。隙間の白くなっているところがコーキング剤です。
キャビネットのOリング取付け穴開け
コーキング剤を乾かしている間に、キャビネット側の作業を行います。キャビネットにOリング取付け穴をあけます。
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Oリング取付け穴の位置を検討します。作成したOリングをいろいろと配置して、決めています。
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ステンレスのバックルの左右30㎜ほど離れたところに出っ張りがあります。出っ張りのところにOリングが接するように穴をあけようと思います。(現在の位置)
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Oリングの内側に沿ってマジックペンで罫書きました。罫書きに沿って穴をあけます。引き廻しノコギリで開ける手もありますが、プラスチック製ということもあり、半田コテで溶かしながら切断しようと思います。
半田(はんだ)コテとは、はんだという金属を溶かし、電子部品とプリント基板や線材同士を接続するための工具です。はんだは、スズと鉛の合金で、融点(溶ける温度)が低く接続作業に優れた金属です。ところで、なぜ「半田」というのでしょうか?語源は定かでないらしいです。Wikiによると以下のようです。
・半田銀山(福島県)から引用
・マレー諸島のバンダ島
・錫と鉛の成分は「半々だ」
私は半田という人が最初に売り出したのかと思っていました。(笑)
手作り半田コテカッター
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半田コテのこて先を抜いて、カッターの刃をネジ止めした半田コテカッターを作成してみました。カッターの刃の根元にはもともと穴が開いていますので、それを利用してネジ止めしました。
カッターの刃はできるだけ短くします。刃は薄いので刃に蓄えられる熱量は少ないです。したがってコテからの熱が刃にどんどん伝わるようにして、高温が保てるように短くしています。
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先端を拡大したところです。カッターの刃は短くなった不要なもので十分です。熱でカットするため、刃先が新品である必要もないです。
手作り半田コテカッターによるキャビネット加工
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罫書き線に沿って自作の半田コテカッターで溶かしながら切ってみました。持ち手の位置が刃先から離れているので細かな刃先の操作はしづらいですが、精度は不要なので問題なかったです。
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刃先で溶かしながら切断するため、切断後も解けたプラスチックがすこし癒着します。
力を入れて指で押し込むとパリッ!パリッ!という感じで剥がれていきます。
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穴が開きましたね。切断面は溶融だまになっていますね。
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ドリルの先にドラムサンダーを取り付けて、切断面を研磨します。
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研磨した切断面です。きれいになりました。
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Oリング用の穴があきました。いい感じです。
Oリングの塗装
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コーキングが乾いたところでOリングを塗装します。ブリキ部分はつや消し黒で、シナ合板部分はオールナットワックスにします。
ここで、ちょっと順番を間違ってしまいました。コーキングする前に塗装を済ませておけばよかったです。(T_T)
そのせいで、マスキングする羽目になってしまいました。
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ブリキの部分をつや消し黒でスプレーします。
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金属への塗装はすぐ乾くので楽ちんです。
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マスキングを剥がしたところです。
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シナ合板部分はオールナットのワックスで色付けします。
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ワックスで磨きあげてOリングができました。塗装するとブリキで作ったとは思われないぐらい質感が出ていい感じになりました。
キャビネットにOリングの取り付け(仮)
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キャビネットにOリングを仮組してみました。イメージ通りにできてきました。
今回の作業はここまでです。
作業時間:4時間
費用一覧
ここまでで自作サンドブラスターに要した費用一覧です。
第2回作業の追加費用はなしでした。
項目 | 費用 | 備考 |
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