バンドソーのテーブルを作成します。テーブルの角度を変えられるようにします。そこでトラニオン構造のテーブルにします。トラニオン(英語:trunnion)とは、日本語では「砲耳(ほうじ)」と呼ばれます。トラニオン、砲耳とはどういうものか?
トラニオン、砲耳とはどういうものか?
絵を描いてみました。ピンク色が砲身です。黄色部分がトラニオン、砲耳です。トラニオンの軸を支えるのが青色のトラニオンブラケット(砲台)です。15世紀のフランスで発明されたようです。それ以前は、砲身が砲台に固定されていましたが、この発明により砲身を上下に可動することができ、容易に狙いを変更できるようになったのです。
バンドソーのテーブルにおけるトラニオンとは、どの部分なのか見ると、ピンク色のテーブルが砲身に相当します。黄色部分がトラニオンになります。そして、青色部分がトラニオンブラケットになります。この機構によってピンク色のテーブルがトラニオンの軸を中心に上下に可動できるようになります。そこでトラニオンの軸の中心をテーブルとブレードの交点(赤い点)になるように設計しています。これによりテーブルを傾けても、ブレードとテーブルの位置がずれないようになります。
画面を左右に動かしてもらうとテーブルを傾けてもブレードとテーブルの位置がずれないことがわかると思います。
説明が長くなりましたがいよいよ作成します。まずは、部品図を印刷します。トラニオン部分の部品は設計通りに切り出す必要あるので実寸で印刷して型紙とします。
合板の端材に型紙を貼り付けていきます。見える部分はシナ合板を使い、見えない部分はラワン合板にしています。
フレームやホイールを作成した時の端材が役に立ちました。
無駄なく型紙を貼り付けていきます。
作ってきたバンドソーがそろそろ使えるようになってきました。テーブルは、取り急ぎ端材をクランプで固定して仮のテーブルにしました。
これからはバンドソーでバンドソーを作っていけそうです。
バンドソーで荒取りしました。今まではこういった凹みのある形状はジグソーに頼るところですが、バンドソーでサクサク切れます。ジグソーと違いバンドソーはブレードが上から下へ一方向に動くので材がバタつかず非常に安定して切削できます。
仕上げは自作のディスクサンダーで研磨します。ディスクサンダーは本当に重宝します。切削面を綺麗に研磨できますし、微調整のために少し切りたいという時は迷うわずディスクサンダーで研磨してしまいます。思っている以上に研磨能力が高くどんどん研磨できます。
凹みの仕上げはベルトサンダーで研磨します。
仕上げ加工が終わりました。型紙通りに仕上がりました。
ちょっとした切削もバンドソーで切ります。
型紙を剥がして、接着していきます。
トラニオンブラケットを2組作り、クランプして乾くのを待ちます。
これもバンドソーでカットします。真ん中の部分が不要になります。
トラニオンを2組作り、クランプで固定して乾かします。真ん中の溝のところが45度分の範囲でボルトを通します。
トラニオンブラケットができました。真ん中の穴にボルトを通し、ボルトを締めたり緩めたりすることで、トラニオンを固定したり、可動できるようにします。
ブラケットの上にトラニオンを載せます。