【道具・工具】サンドブラスターを自作してみる(最終回)

道具・工具

 サンドブラスターを自作してみるの最終回になります。

 前回までの振り返りです。
 サンドブラスター製作を終えて、試しブラスト後の課題を改善しました。

ブラスト前準備

 昨日、顕在化した課題を改善して、本日、2回目の試しブラストを行います。もう一つ、追加の変更点があります。時間かけて作った底板をやめました。底板の隙間から研磨材が流れてしまい、研磨材を効果的に利用できないと判断したためです。

 メディア(研磨材)として、珪砂6号 25㎏(¥982)を購入しました。小袋を探すも見つからず、結局買ってしまいました。

 使いたい放題使えます。とは言え、入れすぎると重たくなるので、2~3㎏ほどの追加にとどめました。

 細かい改善ですが、ブラストガン用のフックを付けました。
 また、メディア(研磨材)はキャビネット底に5㎝の厚みで満たしました。したがって、吸引ホースをキャビネット底にべた付けしておけば、メディア不足にならないと思います。

 サンドブラスターに使用するエアーコンプレッサーは以下です。
Power Sonic製オイル式 UD-1010Ⅱ
電源:100V
出力:1HP(0.75㎾)
最高圧力:0.8MPa
吐出量:90L/min
タンク容量:10L
製造:2001年製

エラーコンプレッサーに補助タンクを繋げています。補助タンクは以下です。
EnRich製エアー補助タンク ER-25T
タンク容量:25L

 エアーコンプレッサーも補助タンクもレギュレータからの空気漏れがあったため、どちらもレギュレータを取り外し直結しています。

 サンドブラスト作業するときは、たとえ粉塵が飛散しなくとも防塵マスクをしましょう。メディアの微粒子は非常に細かく、知らず知らずのうちに吸引し続けると危険です。

改善後の試しブラストの実施

 なかなか錆びているものがなく、探しました。
錆びたタガネをブラストします。

 ブラスト後です。錆が落ちています。
ブラスト時にメディアがタガネに当たるとチラチラと火花が出ます。

 錆びたドリルチャックビットをブラストします。

 ブラスト後です。黒錆も研磨されてしまいました。

 水道用パイプの先が変質しています。

 銅製だったのですね。

 メッキ表面の錆と汚れです。

 メッキごと研磨されました。
メディアがメッキを研磨する際、研磨雰囲気がほのかに赤く光りました。流星の尾っぽのような感じでした。細かな火花が飛んだようです。

所感

 想像以上に研磨できるようになりました。ヤッター!
 改善の中で効果的だったのは、ブラストガンのキャップを無くしたこと、これによりガン先端に近づけてブラストできるようになり研磨性能がものすごくアップしました。次いで、底板をやめてメディア(研磨材)を大量に投入したことで、メディア切れが発生しなくなったことです。
 その他には、隙間テープを隈なく貼ったことで粉塵漏れがなくなったことと、エアエキゾーストによる内圧の解放で隙間への負荷がなくなったことで粉塵漏れも低減されたと思います。
 副次効果として、ブラスト後すぐに研磨した部材を取り出だそうと覗き窓を開けると粉塵が舞ますが、開ける前にエキゾーストの出口から集塵機で吸引すると、粉塵の舞がすぐに収まるので窓を開けられるようになりました。
 エアーコンプレッサーとの組み合わせについて、タンク容量も吐出量も小さいのでブラストするとモーターが回りっ放し状態ですが、0.5MPaぐらいあれば研磨力は小さいものの研磨できている感じです。
整理すると以下です。

改善による効果
  • ブラストガンのキャップを無くしたことによる研磨力アップ
  • 底板をやめたこととメディア大量投入によるメディア切れなし
  • 隙間テープとエアエキゾーストによる粉塵漏れの防止
  • エアエキゾースト出口からの集塵による粉塵の舞の抑制

 もう少し改善したい点として以下です。
1.キャビネット内を照らす照明が欲しいです。今のままでは少し暗く、研磨漏れをしてしまうかもしれません。そこそこ明るく防塵・防水性能IP66以上のLEDライトを探しています。
2.エアーコンプレッサーのレギュレータを付けたいです。0.5MPaぐらいでも研磨できるので、レギュレータで0.6MPaぐらいに設定すると、モーター回さずに長持ちしそうなためです。

まとめ

 サンドブラスターを自作してみました。結果として、粉塵漏れなく安定して使えるレベルにすることができました。サンドブラスターとしてはコンパクトと言え、工房においては大型な道具のひとつです。どこに設置するか、今後考えていきたいと思います。
 さて、工数のおさらいです。
作成に要した費用は、10,749円でした。
今回の作業時間:4時間、総作業時間は、46時間期間は1.5か月でした。
費用については、保有品を活用して抑えました。保有品がない場合は、さらに2,000円ぐらい増えるのではと思います。

費用一覧

 ここまでで自作サンドブラスターに要した費用一覧です。
最終回作業の追加費用は、ありませんでした。メディア(¥982)を購入しましたが、これはランニングコストのため含めていません。
最終合計:10,749円

項目費用備考
レンジフードフィルター(46㎝×240㎝)¥100
茶こし(80㎜)¥100
隙間テープ(10㎜×15㎜×2m)¥1352巻き組
M4×12 皿小ネジ¥9010個入り
2.3×8 皿ネジ¥12930個入り
ステンレス製トンボ¥1958個入り
サンデーPET PG-1 透明¥871450×300×1
PURE PACK S30-45 100枚入¥9820.03×300×450
ホースバンド 締め付け範囲 8-22㎜¥1081個
TOYOX製スーパーテトロンホース内径9㎜¥3191m(切り売り)
PAOCK製スポットブラストガン SBG-4PA ¥1,980在庫処分品
DSLソケットL(Rc1/8)¥6871個
DSLプラグL(R1/8)¥2371個
ステンレス製ホースバンド12.7×130-152¥7242個
IRIS 密閉バックルストッカーKB-540¥2,50869L 548×498×470
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