ボール盤のテーブル製作も終盤に差し掛かり、痛恨のミスが発覚!でも、気づかずに最後まで来たのでそのままでも問題なさそう。いや、もしかするとミスった方がよかったかも。ただ、設計していたにも関わらず、製作でミスったのは痛い。完成後に振り返りが必要です。
それでは、完成に向けて工程を紹介したいと思います。結構、塗装もきれいにしたので使うのに躊躇してしまいます。(笑)
テーブル本体の加工に移ります。フェンスと同様にテーブル本体にも7㎜幅の溝をテーブルソーで切削しました。縦と横とも切削完了したところです。
こちらも、奥のチーク色がアクセントになって良さそうです。
横と縦のT溝の交差した部分の拡大です。角もだれることなく、きれいに切削できています。
次は、ボール盤の支柱が収まるU字部分の切削です。コンパスを使って、罫書しているところです。このコンパスは大学時代に製図で使用していたものです。STAEDTLER(ステッドラー)製の本格的なコンパスセットを使っていました。云十年前で1万数千円しましたが、今でもそれを木工など製作に使用していますのでそれを考えると安い買い物と思います。
Φ85もあるので、ホールソーでも切削できません。ここではジグソーで切削します。ジグソーは自作のジグソーテーブルに取り付けています。こうすると、両手で被切削材を持って作業ができるので、小物も糸鋸のように扱えます。
写真下に見えるツマミは、ジグソーの速度調整用のコントローラです。基板キットを購入して、自作したものです。
ジグソーで切削したところです。切り口はガタガタですが何とか切削できました。
このジグソーは今から20年近く前に買ったもので、3千円ぐらいのとりあえずなジグソーを使い続けています。ノコ刃の角度が変えられ、静音なジグソーが欲しいなあと、使う度に思うのですが、実際あまり使わないので踏ん切りがつきません。
切り口がガタガタなので、ヤスリ掛けします。丸い凹み部分は丸棒にサンドペーパーを巻き付け研磨するときれいな丸みを出せます。後は焦らず根気よく磨くことです。
そこそこきれいな丸みになりました。この部分はボール盤の支柱が収まればよいので、後はどこまで見た目を追うかです。
次に、テーブル本体にボール盤のドリルセンター穴を明けます。罫書した70㎜正方形の中心がボール盤のドリルの位置になります。テーブル本体を正位置した場合、ドリルを降下させるといつもこの位置にくるところです。
設計上はΦ20の穴でしたが、Φ20のドリルを持っていなかったのでΦ21のドリルで穴を明けます。
Φ21の穴を明けたところです。これぐらいの穴を明けると切りくずが結構な量がでます。やはり、奥に飛び散らないようにフェンスが欲しいです。
四角のところは、ドリルの下穴用の板を嵌められるように70㎜正方形に5.5㎜の窪みを付けます。
下穴用の板とは、貫通穴を明けるときこの板がないと、下側の穴はバリが出て、きれいに明けることができません。実際には捨て板をしたに敷いてやりますがバランスが悪いときなどは、敷かずに明けることになります。下穴用の板に穴が明いてしまうと役割を果たさなくなるので、交換できるようにしておきます。
正方形の窪みをのみの場合、嵌めた板を取るのが手間だし、交換用の正方形の板も精度よく加工しないと窪みに嵌りません。そこで、四隅の角を落とすことで交換や取り出し易くなります。
5.5㎜の深さは、テーブル本体に上面に貼った合板の厚み分です。交換用の板も同じ合板から作れるわけです。
4隅ともΦ22深さ5.5㎜の穴を明けたところです。二つは、ボール盤で開けられましたが、残り二つはボール盤のフトコロが短く届かないので、インパクトドライバーで明けました。
正方形の残りの部分を5.5㎜掘り込みます。ここでは、ノミを使って掘り込みます。最初に正方形の線に沿ってカッターで切れ込みを入れます。そのあと、ノミで少しずつ掘り込みます。掘り込みに合わせて、正方形の線に沿って、今度はノミで切れ込みを入れていきます。これを繰り返して所定の深さまで掘り込んでいきます。
掘り込み終えたところです。きれいに掘り込めました。ノミで掘った切りくずが大量に出ています。
交換用の板を大量に製作しておきました。その一枚を嵌めてみました。4隅のコーナー膨らみのおかげで交換板の角の精度は不要になります。また、コーナーの膨らみで隙間ができるので交換板が取り外し易くなります。
次に、テーブル本体を元のテーブルに固定するための部分を作ります。ここで設計変更が発生しました。テーブル本体のTスロット部分の強度不足が見つかりました。ちょうど溝の部分が弱く、テーブル本体に上から少し力をかけるとたわみ、「みし」っと音がしました。
そこで、補強するために溝にあたる部分を覆うようにテーブル固定部を大きくしました。また、38㎜のコーススレッドでがっちり固定できるように12㎜合板2枚を重ねるようにしました。
テーブル固定部は、38㎜コーススレッド8本で固定するようにしました。すべて下穴と座繰り処理したところです。
ボンドとコーススレッドでがっちり固定したところです。これで、元のテーブルに差し込んでみたところ僅かにきつく、うまくテーブルが入りませんでした。
そこで、工房に余っていた1㎜厚のブチルゴムをスペーサーを入れることにしました。
スペーサーを入れることで、ちょうどいい具合に固定部にテーブルが収まりました。
最後にテーブル本体の塗装を行います。見栄えもそうですが、塗装を行うことでテーブル表面の強度も高くなり、傷に強くなります。
まず、Tスロットのところを白スプレーします。溝はチーク色をそのままにしたいので、キッチンペーパーを短冊状にして、溝に押し込みマスキングしています。
白色を残す部分をマスキングします。残りをつや消し黒スプレーで塗装します。
つや消し黒スプレーは、合計4回塗りしました。2回塗り後、サンドペーパーで毛羽を磨いた後、さらに2回塗りしました。
乾燥後、マスキングを剥がしているところです。Tスロット部の白がコントラストよくきれいです。
テーブル本体の塗装が完了したので、次にフェンスの塗装です。フェンスの前面を白に塗装するため、その他の部分をマスキングします。マスキング範囲が広いので、幅広のマスキングシートで覆っています。
マスキングできたので、白スプレーで塗装します。ここもテーブルの塗装と同じく、4回塗りで仕上げました。
フェンスの塗装が乾くまで、ノブを製作します。板にノブの外径の円を描きます。ノブは五角形タイプにするので、円に対して五角形の角の点をマークします。正五角形はコンパスと定規で作図できます。
ノブの凹み部分を穴を明けることで作ります。この凹み部分は好みです。今回は、Φ21の穴を先ほどマークした位置より2㎜程度外に延長した点を中心にして、5か所明けました。
最後にホールソーでノブを切り出します。ホールソーのサイズはΦ38です。
ノブらしい外形になります。後は、研磨して握りやすいように整えます。
ノブに爪付きTナットを取り付けます。M6サイズのため、下穴は7.5㎜をノブ側に明けます。爪の位置にノブに下穴を明けます。爪付きTナットをノブに嵌めて、玄翁で打ち込み完成です。
下穴を明けずに打ち込むと、ノブ側が割れる可能性があるので明けるのがおすすめです。
ノブは合計3つ作ります。
最後、テーブルの組立てです。ボール盤のテーブルに作成したテーブル本体を固定します。テーブル本体にフェンスを取り付けます。テーブル上のT溝にM6ボルトを差し込み、フェンス側の穴に差し込んでフェンスを固定します。固定には先ほど作成したノブで締め付けます。
フェンスの裏側から見たところです。ノブが見えているところがT溝に差し込んだM6ボルトで固定しているところです。
そのすぐ後ろに集塵用のホースを取り付けています。ホースはホームセンターで売っている洗濯機用の延長ホースを使っています。
以上でボール盤の自作テーブルの完成です。
「えっ?」、タイトルにあった痛恨のミスは気づかれたでしょうか?気づかれた方は、コメントください。振り返りで回答したいと思います。