【工房製作】電気工事士取得

工房制作

 家の壁の中に配線されている電気工事をするには、電気工事士の資格が必要です。今後、自分で家の電気回りの改善などをする上で、電気工事士の資格が必要となるので、取得することを思い立ちました。
 もともと学生の頃から電子工作も好きで大阪の日本橋(電気店街)、最近は名古屋の大須によく部品を買いに通っていたので、電気に関して興味がありました。
 たまたま、大須に買い物に来ていたときに書店で何気に手に取った第二種電気工事士のテキストから取得への道が始まりました。2018年の1月でした。

 書店で手に取ったのは、西東社出版の「DVDで一発合格! 第二種電気工事士 筆記&技能テキスト」でした。事前におすすめ書籍など特に調べずに、棚に並んでいるものを手に取り、絵がたくさん載っていたので決めました。

申し込みに関するお問い合わせ
一般財団法人 電気技術者試験センター本部事務局
TEL:03-3552-7691
URL:https://www.shiken.or.jp/

 受験についての案内が書籍のはじめのページに記載されておりました。事務局のホームページを見ることで詳細がわかります。
 簡単に言うと、試験は上期と下期で年間2回あり、平成30年度から両方受験できるようになりました。筆記試験合格すれば、その1、2か月後の技能試験を受験することができます。技能試験で不合格となった場合は、次回(上期受験なら下期、下期受験なら翌年の上期)の筆記試験は免除され、技能試験を受験できます。受験手数料は毎度必要です。上述は自分が受験した時のことです。
詳細は、必ず事務局の受験要領を確認してください。

受験・合格者推移(9年間)

 取得しようと思う方にとっては、難易度が気になると思います。令和元年度までの9年間の受験者、合格者、合格率の推移を参考に載せます。これは、事務局が発表している数値データを元にグラフ化して見た結果です。ここ最近の受験者数は12万人程度、合格者は6.5万人前後で合格者率は50~55%程度のようです。
 また、平成30年度から上・下期両方受験できるようになったため、受験者数が伸びたと思われます。
 電気の知識は高校で学ぶ内容で対応できると思いますし、電気工事士受験のテキストやWeb情報はたくさんあるので補完できると思います。現に受験したときには、制服を着た高校生たちがたくさんいました。

帰りの通勤時間で勉強
akizouさんによる写真ACからの写真

 1月にテキストを購入し、受験まで約6か月ということで、帰りの通勤時間を使って勉強することにしました。1日、時間は30分程度となります。
 プランとしては、受験の1か月前からは過去問題を練習する。それまでにテキストを3回読む。そうすると、出勤日数は、17週×5日で85日程度、そのうち祝日やできない日もあるので9割程度とすると75日程度で3回読むことになります。1回目は時間かかるので35日を確保、2回目は、25日を確保、3回目は、15日を確保して進めようと思います。
 テキストの筆記試験部分は240ページなので1日当たり約7ページを読めればOKです。テキストは絵がたくさんあるので、できそうな気になります。
#写真はフリー素材を使用させていただきましたので、クリエーターとサイトのリンクをはりました。

図書館で勉強

 帰りの電車の中で、テキストを読む生活が始まりました。一度に20ページぐらい進むときもあり、思っていたよりペースよく進んでいきました。高校程度の電気の知識で済んでいることがよかったのだと思います。たまにうとうとして、同じページを何度もプレイバックすることがありました。
 当初の予定より早く、2か月前には「3回読むこと」はクリアできました。そこで、テキストについている過去問やネットで過去の試験問題をダウンロードして、試験対策しました。
 久々に、近所の図書館で勉強することを思い立ち、散歩もかねて数回通いました。図書館では多くの学生たちが勉強しており、こちらも励みになりモチベーションを維持できました。
 帰りの電車での勉強は、継続し4回目、5回目と続けていきました。

受験と試験用紙

 筆記試験は、交通のアクセスがよい名古屋工業大学で受験しました。当日、学生服を着た高校生が非常に多く学校単位で受験しているようです。また、作業着を着た人たちも多くみられました。
 写真は受験したときの筆記試験用紙です。用紙はB4サイズで広げるとB3サイズとなり、日ごろA4サイズを使っているものにとっては、持て余すほど大きいなという印象でした。
 試験時間は2時間で、確か1時間後は退出可能になります。試験問題は50問、1問2点の100点満点のマークシート方式です。合格ボーダーは60点ぐらいのようです。試験問題は持ち帰りできるので、回答をマークしておけば、後で自己採点できます。
 試験終了後、自己採点したところ80点でした。合格と思いますが、自分的には90点ぐらいかなと思っていたのでちょっとがっかりでした。見返したところ、電気工事ならではのところ、工事の種類ごとの決まりごと、そういったところの間違いが多かったです。

筆記試験合格通知

 筆記試験の合格通知が送られてきました。合わせて技能試験の受験票も付いていました。
 自己採点で合格とわかっていたので、そこから、技能試験の準備を始めました。取り急ぎ、技能試験に必要な工具を通販で購入したり、ホームセンターで購入したりしました。それだけでなく、技能試験の練習のため、ケーブル類、リングスリーブや差し込形コネクタ、アウトレットボックス、スイッチ、コンセント、端子台、ランプレセプタクル、シーリング、遮断器など、必要なものがたくさんあり、出費もかさみました。

 新たに技能試験のテキストを購入しました。先に購入したテキストは、必要とする基本作業を中心に纏められたものでした。これの補足として、今年の出題候補13問が掲載されているテキストとして以下の書籍を購入しました。
技術評論社出版
「第二種2018年版 電気工事士試験 完全攻略 技能試験編」
毎年の出題候補に対応して出版されているようです。
 このテキストも最初に基本作業と欠陥を説明し、次節以降、出題候補13問について1問ずつ詳細に作業手順とその解説、注意事項が示されており、こちらもよくわかるテキストになっています。

 技能試験に必要な工具は、持ち合わせのものもあったのでばらで購入しましたが、写真のような工具セットが販売されているので、こちらを購入したほうが間違いないし、安上がりかもしれません。
 リングスリーブ用圧着工具は、ハンドル部分が長いもの(標準)と短いもの(ミニ)が販売されています。標準の場合、リングスリーブ大 用の圧着もできますが、ミニの場合、大の圧着はできません。
技能試験では、リングスリーブ大を使った出題はないので問題ないです。握力の弱い方や今後もよく使うのであれば標準を購入するとよいかもしれません。
工具セットを購入する場合、どちらの圧着工具が含まれているか確認して購入してください。自分はばらで買ったので標準を購入しました。値段も大差ありませんでし

多機能型

専用型

 ケーブルストリッパーには、大きく2つあり、多機能型と専用型があります。多機能型はケーブルの被覆の剥ぎ取り以外に、ケーブルの採寸、ケーブルの切断、心線の曲げが行え、技能試験で必要な作業が行えます。専用型はケーブルの被覆の剥ぎ取り専用の工具で、ケーブルの外装と絶縁被覆を一回の操作で剥ぎ取ることができるので時間の節約ができます。
 工具好きな自分は、専用型も購入しました。練習の時は購入したケーブルでもっぱら専用型を使って練習しました。いざ、本番では配布されたケーブルの厚みが薄かったため、食いつきが悪く一発で剥ぎ取れず焦ってしまいました。
 このような経験から、技能試験では多機能型を使用するのがよいと思います。ただし、普段から仕事や作業で使っている専用型を持っているなら、慣れたほうを使うのがよいと思います。
 専用型はケーブルの厚みや材質によって調整が必要で、調整が不十分だと、1回の操作で剥ぎ取れなかったり、心線を傷つけてしまい欠陥になる恐れがあります。調整自体はダイヤルを回すだけなので簡単ですが、技能試験という限られた時間と限られたケーブル長の中で調整するのはリスクが高いです。

技能試験問題

 写真は、技能試験問題です。何で2冊あるの?そう、一度目は残念ながら不合格だったのです。
 言い訳ではないですが、その日は朝からトラブルに巻き込まれてしまったのです。JRの電車で試験会場の駅に向かっていたのですが、遥か手前の駅で人身事故のため電車が止まってしまいました。それも事故直後の電車であったため、動き出すのに2時間ぐらいかかります。いくら余裕をみていても、2時間は待てません。
 そこで、電車を降りて、タクシー乗り場に向かいました。ここで、たぶん自分だけではないだろうと、きょろきょろしながら向かいました。少し離れて自分の後ろから、学生とその母親の二人連れもタクシー乗り場に向かっている様子だったので、声をかけたところ、同じ試験に向かうところということで相乗りでタクシーに乗りました。何とか間に合いましたがタクシー代は余計な出費でした。
 後でわかったことですが、今回の件は救済措置があり、受験できなかった人は次回受験できるとのことでした。

試験問題と複線図

 落ち着く間もなく、試験時間となりました。今回の試験問題は、出題候補のNo.3でした。問題の単線図から複線図を描いて、複線図を基に施工します。
 描いた複線図自体は正しいものでしたが、上述した専用型ケーブルストリッパーとケーブルの相性が悪く一発で被覆が剥がれず往生しました。
 また、配線で失敗してやり直すなど時間がどんどん過ぎていき、見直す間もなくギリギリで終了しました。終わって退席する間、周りの施工を眺めてみると、なんか配線が違う。今回の複線図もそうですが、普通はケーブルの黒は黒同士、白は白同士に圧着するのだが、自分の施工を改めてみた瞬間、黒に白が混ざっとるやん…。終わった。チ~ン。

 気を取り直して、次回の技能試験に向けて練習用の電線セット購入しました。第2種電気工事士の技能試験候補問題13問を全1回分の必要なケーブル類がセットになっているものです。
 次回は、多機能型ケーブルストリッパーで臨むことにしました。さらに、通勤時間にYouTubeに投稿されている全13問の施工手順を見て、イメージトレーニングし、主に休日を利用して施工を繰り返して練習しました。繰り返し練習し、試験時間40分に対して、複線図を作成し、施工を含めて25分から30分程度でできるようになりました。残り10分あれば、配線ミスがないか、欠陥がないか確認できそうです。練習は、試験の2か月前から始めて、一番脂がのった時に試験に臨めるようにしました。

2回目の試験問題と複線図

 2回目の技能試験です。問題は出題候補のNo.1でした。単線図から複線図も問題なく作成でき、施工も無事に行えました。時間も30分程度で完成し自己チェックも問題ありませんでした。練習の成果がでました。

合格通知

 合格通知が届きました。事前にネットで合否確認ができて、知っていたのですが、合格通知はうれしいものです。
 早速、免状申請書、写真、合格通知書と手数料(収入印紙)等を添えて申請しました。

第二種電気工事士免状

 申請してから2週間程度で、免状が届きました。
パウチの免状です。自動車免許証のようなカードサイズの丈夫なプラスチック製だと携帯に便利なんですがね。
 これで家の電気工事ができるようになります。できるだけでなく、責任を持って施工にあたる必要があります。

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