【工房製作】電源工事

工房制作
電気配線図

 いよいよ工房に電気を通します。母屋の電源から引いてきます。いままではサービスコンセントから電気を取っていましたが容量が小さいのと外からケーブルで工房内に引かないといけない不便さがありました。これを解決します。工房内では電気工具やテーブルソー、掃除機、電灯など電気を使うものがあるので、使いやすくしたいと考え、工房の主な壁ごとにコンセントを設置することにしました。また、工房の外での作業をすることもあるので工房の外壁にサービスコンセントを1つ設置します。安全のためサービスコンセントは工房内のスイッチでON/OFFできるようにします。工具類は容量が大きいので念のため2本を母屋から引くことにしました。それぞれ20Aのブレーカーからとります。こうすることで10Aを越える電動工具と掃除機を両方同時に使うことが可能になります。ただし、母屋は最大40Aなので運悪く母屋で電子レンジや電気ポットを同時に使ってしまうと主ブレーカー(40A)が落ちてしまいます。
左図は、検討した電気配線図です。記号はJIS C 0303-1984を参考にしています。

母屋の外壁

 母屋に穴を開けます。いい加減に開けたわけではなく、母屋の配電盤に到達できるように考えてあけています。工房も電源を取れるように建設しています。穴からFケーブルを上に向けて通します。Fケーブルは20Aのブレーカーに付けるので断面がΦ1.6を使いますが、今回はΦ2.0を使用しています。

Fケーブルの引き出し

 バスルームの天井の蓋を開けて、Fケーブルを引っ張り出したところです。写真中央の2本のFケーブルがそれです。簡単に出てきたわけではなく、ほとんど全身が天井にもぐった状態で手を伸ばし、この辺りかとまさぐりまさぐりして、手にFケーブルが触れた瞬間「ヤッター!」と心の中で叫びました。

配電盤

 配電盤にFケーブルを引っ張ってきたところです。配電盤はバスルーム横の洗面所にあるので、バスルーム天井裏からの距離は1m弱です。配電盤のカバーを取ることで、天井裏から覗くと明かりが漏れるので、配電盤の位置を確認しながらFケーブルを配電盤に向けて押し込むことができます。
 予めFケーブルの先を釣り針のように曲げておき、押し込みます。配電盤の隙間に針金を入れてFケーブルの曲げたところに引っ掛けて、引っ張り出します。ここまでくると、九割九分電源がとれたも同然です。
 ここで感じたことは、もっとメンテナンスを考えた家作りをして欲しいものです。電気だけでなく、インターネットが普及してきた今ではEthernetケーブルを後で配線できるような工夫も考えて欲しいです。
 以前、Ethernetケーブルを引くために床下に潜って壁から別の壁に出したこともありますが、このときも床下の断熱材を一部剥がしたり、わずかな隙間を見つけてケーブルを引っ張りだしたりと苦労しました。
 家作りは、もっともっと改善すべきところがあります。価格が高い割には配慮に欠けています。車のほうがよっぽど居住性を考えているように思います。

外壁の電源引き出しの処理

 外壁の穴は、丸形のスイッチボックスで覆い処理します。蓋をして終わりです。

工房内の配線

 工房は、内壁がないので配線は簡単です。水平の配線は、工房の壁の周りに張り巡らします。下向きに配線しているのはコンセントを取るためのものです。結線は最後にまとめて行う予定ですが、銅線を差し込むだけで結線できるコネクタを使用します。

コンセントの配線

 これは、コンセントの部分の配線です。これを各壁にひとつずつ設置します。

スイッチの配線

 これは、電灯用とサービスコンセント用のスイッチを取り付けるところです。配線途中です。

サービスコンセントの設置

 サービスコンセントを取り付けたところです。工房の壁に穴をあけてFケーブルを通して、銅線を差し込めば終わりです。簡単です。

結線用コネクタ

 これは、結線するためのコネクタです。コネクタを使うと指定の長さの銅線を差し込むだけで結線できます。写真は3線を纏めて結線できます。他にも2線、4線などのコネクタも用意されています。コネクタを使わない場合はリングスリーブ(すずめっきした銅板製)を圧着ペンチで圧着して結線します。さらにスリーブが他のスリーブと短絡しないように絶縁テープやキャップをつける必要があり、工具を用意するなど作業工数がかかります。3線以上をスリーブで確実に圧着するには慣れも必要です。その点コネクタは工具要らずで絶縁もできるので作業効率がよいです。

3Pコネクタによる結線

 コネクタを使って結線したところです。差し込むだけでよいので簡単確実で始末もきれいにできます。

保護カバー

 保護カバーを取り付けて、ひとつの結線が終わります。あとは同じようにすればよいです。

コンセントの取り付け

 コンセントを取り付けたところです。取り付けたといっても、黒と白の銅線を指定の穴に差し込むだけです。注意することは、銅線の長さです。穴に差し込む長さが器具ごとに決まっています。このコンセントでは10mmです。また、上記の結線用コネクタでは、13mmと指定さています。この長さより短いと結線が不十分ですし、長すぎると銅線が余り、むき出しとなるため短絡の恐れがあります。
 このコンセントは、見たとおりアース端子付きで差し込んで回すと抜けなくなるタイプです。電動工具で3端子のものもあり、2端子変換コネクタをつけなくてもすむようにしています。もちろん、2端子のものも使用できます。
 上向きのFケーブルは上記の結線からの線です。ここから電力が供給されます。また、右下へ伸びているFケーブルは、工房の外に取り付けたサービスコンセントへつながります。このコンセントは、サービスコンセントにつながるのでスイッチをかまします。常にサービスコンセントに電力が供給されていると事故の原因になります。周りに小さな子供がたくさんいるので、間違って釘などをコンセントに差し込むと大変です。

スイッチの取り付け

 これがスイッチです。まあ、普通のものです。下向きのFケーブルがさきほどのサービスコンセントへつながります。上下に2つのスイッチがありますが、下側スイッチがサービスコンセントのスイッチで、上側スイッチが電灯用のスイッチです。上向きにFケーブルが2本出ていますが、本当は1本で済むのですが、購入したFケーブルは白、黒の2線のものなので仕方なく冗長な配線になってしまいました。1本にするには、白、黒、赤の3本線のFケーブルがあれば綺麗に配線できたのですが。あるもので賄いました。

配線の確認

 全ての結線が終わったので、電力を供給する前に配線の確認をします。配電盤側のFケーブルの黒を(+)に白を(-)にして5V程度の電気を流します。今回は、写真ようなDCアダプターで電力を供給した状態を作ります。そして、工房内の各コンセントに発光ダイオード(LED、写真)を使ってLEDが点灯するか確認します。LEDには極性がありますから、+極にはLEDの+側リード線をつなげないと点灯しません。コンセントの黒側にLEDの+のリード線を、白側に-のリード線を差込み点灯すれば、断線がないことと、黒の線がどこまでも黒に結線されていることが確認できます。黒線が途中で白線に結線されていると短絡しているか、短絡の危険があります。
 また、スイッチも機能することを確認します。複数のスイッチがありますから、スイッチONして所定のコンセントがONすること、その他のコンセントがON/OFFしないことを確認します。
 注意ですが、100Vの電力が供給されているコンセントにLEDを差し込まないように、感電やLEDの破裂、火災の危険があり、大事故になります。
 配線に問題ないこと確認できたので、いよいよ電力を供給します。

配電盤への接続

 配電盤のブレーカーに接続しました。写真の一番右側のブレーカーです。まだ、OFFになっています。2本のFケーブルを用意していますが、今回は1本のみ使用します。もし、電力不足の場合は別途2本目を使用することにしました。

電力供給

 配電盤のカバーをして、電力を供給しました。No.13のブレーカーが工房用です。後で名前を入れたいと思います。

文明開化の光

 工房に戻り、手持ち用の電灯をつけたところです。文明開化の音じゃないですがそういった感覚でしょうか?工房が工房らしくなったような感じです。この手持ち用電灯を全てのコンセントにつけて点灯することを確認しました。

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