【バックヤード】中古ノートパソコンDELL Latitude5490を改造しました

バックヤード

 ちょっと前にHP Compaq nx6320の魔改造について投稿しました。

 ただ、もうnx6320はOSのサポート切れのため長らく使用していませんでした。自作したデスクトップパソコンを後継として使っていますが、場所はダイニングのためリビングにあるTVは見れません。

 やはり、リビングでTVを見ながらネットサーフィンもしたい衝動がずっとありました。この3年、コロナ禍で飲み会や外出もほとんどありませんでした。その甲斐あってか小遣いが貯まりました。懐に余裕ができてきて一段とノートパソコンが欲しくなりました。

 最初は新品の購入を考えていましたが、半導体不足や物価高騰で価格が高くなっているように思います。そこで、中古PCを探し始めました。

中古ノートパソコン探し

 最低限の要求スペックは以下です。そんなに要求は高くありません。これぐらいのスペックがあれば今後3~4年は使えると思います。

中古ノートパソコンの要求スペックリスト
  • Windows11 ProまたはWindows10 Pro(Windows10から11に無償アップ可能のため)
  • CPU AMD Ryzen 5またはIntel Core i5以上
  • メモリ16GB以上(8GBの場合は増設可能であること)
  • SSD500GB以上(256GBの場合は換装可能であること)
  • ディスプレイサイズ、解像度 14インチ、FHD(1920×1080)以上
  • 外部インターフェース WiFi、USB Type-A/C、HDMI、Bluetooth

 上記以外で、自分の好みの機種としては、Lenovo ThinkPadが第一候補です。特にThinkPadのキーボードのタッチとトラックポイントが好きです。

 ネットで中古ノートパソコンの要求スペックを満たすものの価格帯を調べたり、大阪日本橋、名古屋大須の中古パソコンショップを覗いたりしてました。あるようでなかなか見つかりませんでした。あってもいい値段でなかなか踏み切れませんでした。

 惜しい!…というようなスペック&値段というものはよくあります。

例えば、他はすべて満たしているのだけど、Core i5 第六世代品です。これは、Windows11にバージョンアップできないので残念ながら没です。

あるいは、他はすべて満たしているのだけど、メモリ8GBで増設不可品です。メインボードにメモリチップを直付けしていて、かつメモリ増設スロットなしのものです。これも残念ながら没です。

あるいは、すべて満たしているのだけれど、ディスプレイと本体を繋ぐヒンジ周りのプラスチックフレームが割れているもの、これは物理的にヤバいので没です。

中古品、安過ぎるには訳がある。

中古のDELL Latitude5490購入

 そういうのが数か月続いて、ようやく先週、すべてを満たして、かつ低価格品が見つかって即買いしました。

 じゃじゃーん!

 購入品一式です。これだけです。
・ノートPC本体
・ACアダプタと電源ケーブル
・リカバリUSBメモリ

 DELL Latitude5490の中古品を購入しました。この型式を新品で購入する場合、CPU、メモリ、SSDなどのスペックを選択して購入できる商品のため、いろいろなスペックの構成があります。この中古品は以下のスペックで税込み¥41,500でした。

購入したDELL Latitude5490スペック
  • Windows11 Pro
  • CPU Intel Core i5 8350U
  • メモリ16GB(空きスロットあり)
  • SSD 256GB(M.2 SATA)
  • ディスプレイサイズ、解像度 14インチ、FHD(1920×1080)
  • 外部インターフェス WiFi、USB Type-A/C、HDMI、Bluetooth

 キーボードやパッドには、テカリのような使用感がなく新品のようです。また、ディスプレイも画素の欠け、滲み(にじみ)もありませんでした。

 また、ThinkPadだけかと思っていたトラックポイントがDELLのノートパソコンにもついていることに驚きました。このノートパソコンに縁があるんや~と思いました。

SSDの換装

 要求スペックの中でSSDだけが所望ではないので早速、交換します。アプリをインストールする前にSSDは交換しておきます。後でもできますが、容量いっぱいになってから交換するとコピー時間がかかってしまいます。

M.2 SATA 1TB SSDの購入

 装着されていたSSD側はM.2 SATAというタイプでした。コネクタを見た感じでは、M.2 NVMeでも行けそうに思いました。また、Webでもなんかいけそうな感じでした。が、結局、M.2 SATAタイプの1TB SSDを購入しました。

 M.2 SATAタイプのSSDはそもそも品数は少ないです。ということで「旭東エレクトロニクス」のSUNEAST SE900シリーズ M.2 2280 SATA 1TB(1024GB)を購入しました。
 価格は非常に安い(¥6,980)ですが口コミはいいコメントが多かったです。

 SSD本体です。右側の端子に2つの切り欠きがあります。これがSATAタイプの見分け方です。
型名:M.2 2280 SATA 1TBの意味を確認します。

規格の整理

規格の嵐なので、簡単に規格を整理します。これを知っておくと、もうSSDは我が手中にあり。

M.2:コンピュータ内蔵の接続端子(コネクタ)の規格
SATA(シリアルATA):コンピュータ(マザーボード)とHDDやSSDなど記憶媒体を接続する規格。
PCIe(PCI express):コンピュータ(マザーボード)とグラボなど増設ボードを接続する規格
NVMe:PCIe規格に対して不揮発の記憶媒体(つまりSSD)を接続する規格
    NVMが不揮発記憶媒体を表し、eがPCIeを表します。

M.2の接続端子に対するSSDには、以下の2つのタイプがあるということです。

・M.2 SATA SSD
・M.2 NVMe SSD

 当然、規格が違うので2つのSSDには互換性はありません。
 特に大きな違いは、データ転送速度です。
SATA(正確にはSATA3.0仕様)の場合は、最大データ転送速度が6Gbps(1秒間に6Gビット転送する意味)です。NVMeの場合は、少しややこしくPCIeのレーンによって変わります。1レーンあたりのデータ転送速度は10Gbpsなので、4レーンの場合(PCIe ×4と書く)、最大データ転送速度は40Gbpsになります。Latitude5490ではPCIe ×2となっているので、20Gbpsとなります。
NVMe SSDはSATA SSDに比べて単純計算で3.3倍と超高速ということがわかります。

ところで「2280」って何だ?

「2280」というのはM.2のタイプを表し、22がコネクタの幅を表し22㎜です。80がカードの長さ(奥行)を表し80㎜ということです。つまり、以下のようにサイズによってタイプがあるということです。
PCメーカー側はコンピュータ(マザーボード)の空きスペースによって、タイプを選べるということですね。M.2 SSDのどのタイプにも絵の左側に半円の切り欠きがあり、ネジで固定できるようになっています。

 最後に「1TB」というのは、言わずもがなですが、SSDのメモリ容量を表します。一般には256GB、512GB、1024GB(=1TB)、2TB 、…と種類が用意されています。
 Office系のソフトだけであれば256GBでも使えますが、写真など画像を扱うなら、一機に1TB以上は欲しいですね。また、動画を扱うなら幾ら容量があっても足らない状態になるでしょう。そういう時は、10TBなど安く大容量の外付けHDDやNASも検討するとよいですね。

 ノートパソコン用にM.2系のSSDを購入する場合に、私が気づいた注意点です。

ノートパソコン用にM.2系SSDを購入する場合の注意点
  • M.2がSATAかNVMeか確認する
  • M.2の2280などタイプを確認する
  • M.2 SSDが片面実装か両面実装かを確認する
  • M.2 NMVe SSDの場合、放熱板の有無を確認する

 1つ目、2つ目は上述しました。
 3つ目は、SSDカードにはメモリICチップが半田付けされています。そのICチップがカードの片面だけか両面に実装されているかです。当然、両面に実装されていると片面のものより厚みがあります。この厚みのためにノートパソコンに装着できない場合がありますので、購入前に確認が必要です。
 4つ目は、NMVe SSDの場合、転送速度が速い分、発熱量が大きいです。その熱を冷やすためにヒートシンク(放熱板)や放熱シートが付いているM.2 SSDがあります。特にヒートシンクの付いたSSDはかさばるので、ノートパソコンに装着できないと考えたほうがよいです。
 こういった点を注意しながらSSDの選定が必要です。実際に購入する際は、ノートパソコンの仕様を十分に確認してください。

裏蓋の取り外し

 精密ドライバ⊕で8か所のネジを緩めます。ネジは抜け止めになっているので失くす心配がありません。
 ありがちなのが、蓋中央のネジを外し忘れて、蓋が取れない、取れないと焦ることですね。(笑)

 端の中央に⊖ドライバの先が入るぐらいの切り欠きがあります。ドライバを差し込んで少し浮かせます。

 少し隙間ができたら、薄いプラスチックの板があれば、差し込んで右側にスライドさせていくと蓋のツメが外れるのがわかります。同様に左側にもスライドさせて蓋のツメを外します。
 右端、左端も同じ要領でツメ折れやフレーム割れがないように外していきます。
 部品の交換作業より、蓋を外すのが一番手間がかかり神経を使います。(笑)

 自分の場合は爪を差し込んでやっちゃいましたが、スマホの分解工具にあるようなオープナーがあると便利ですね。

 こんな感じで蓋を外したところです。

 きれいに部品が収まっていますね。こういう回路を見るとなんかワクワクします。

 ボード内の主な部品配置です。Li-ionバッテリーが大きいですね。これで7時間動作できます。
メモリスロットは2つあり、1枚16GBのメモリカードが装着されていました。よくある構成では、8GBメモリカードを2枚挿しにしています。これだと32GBに増やそうとすると8GBカードが2枚余ってしまいますが、この構成だと16GBをもう1枚追加するだけでよく、メモリカードが無駄になりません。ただ、このノートパソコンで32GBの必要性はないと思いますが…。

 今回のカスタマイズは、SSDを256GBから1TB(1024GB)に換装します。SSDは本体の左端の部品です。512GBも1TBもそんなに価格差がないので、迷わず1TBにしました。

SSDの交換

 これからマザーボードに対して作業をします。身体に溜まった静電気でマザーボードを壊さないように、金属に触れて身体の静電気を開放しておきます。
パソコンの電源を切り、電源ケーブル(ACアダプタ)をパソコンから外します。

 マザーボードの電子部品を壊さないように、SSDの交換前に必ずバッテリーケーブルをマザーボードから外します。
 バッテリーコネクタには、簡単、安全に引き抜けるように指を通せる輪っか(写真中央部)が付いています。指を通してゆっくり引き抜きます。

 わかりやすく写真を撮るために、上記の写真と向きが逆になりました。このような感じでバッテリーケーブルを外します。
 バッテリーケーブルを抜いてもマザーボード上のコンデンサなどの電子部品には電荷が残っているので、ノートパソコンの電源ボタンを長押し(20秒間)して放電させておきます。これを「待機電力の解放(ハードリセットの実行)」というそうです。
DELL Latitude 5490 『Owner’s Manual』(オーナーズマニュアル)のトラブルシューティングの章に記載があります。

 これがM.2 SATA SSDですが、黒い絶縁シートぽいのが貼り付けてあります。SSDを交換した後に再度貼り付けるので丁寧にはがします。

 SSDを固定しているネジを外すとSSDカードが浮き上がります。ネジをなくさないようにします。
浮いた状態を維持しながらSSDカードを抜きます。SSDに触れる際は、SSDの回路やICチップに触れないようにカードの側面を指の腹で挟むようにします。抜いたSSDカードは、SUNEASTのSSDが入っているケースに置くのが安全です。

 SUNEASTのSSDをコネクタに挿したところです。ちょっと、迷ったところがあります。普通ならSSDカードに貼られた銘板シールが上にくるはずですが、購入したSSDカードは下側に銘板シールが来るようです。決め手はICチップの実装面が上にくるようにした点です。

 SUNEASTのSSDに付属のネジで固定しました。元のネジでは、ネジ頭の径が小さくて固定が甘そうだったためです。付属ネジ頭の径は大きく、しっかり固定できました。どうもSUNEAST側の半円の切り欠きが大きいようでした。
 最後に絶縁シートをSSDカードに貼ってSSDの換装は終わりです。
 裏蓋は、外したときとは逆順でもとに戻します。

Windows OSのセットアップ…がトラブル発生

 換装したSSDの中身は空っぽです。これにWindows OSをインストールしてセットアップします。

 試しにSSDが空っぽの状態でノートパソコンの電源を入れると、ブートデバイスが見つかりませんとメッセージが表示されます。

 そこで、購入した際に付属していたリカバリUSBメモリで、OSを工場出荷状態に戻します。

 リカバリUSBメモリをノートパソコンのUSB Type-Aの口に挿して、F1キーを押下して、ブートをリトライします。

 しばらくすると、リカバリUSBメモリからブートされて画面のように手順が示されます。
 キーボードレイアウトの選択では、「Microsoft IME」を選択してEnterキーを押下します。

 次に、オプション選択で、「ドライブから回復する」を選択します。つまり、リカバリUSBメモリから回復するという意味です。

 ドライブから回復する画面では、「ドライブを完全にクリーンアップする」を選択します。

 最後の念押しの確認画面が出ます。本当に完全にクリーンアップしてよいのですね?ということです。いいよ、ということで「回復」をクリックします。

 回復が実行されて、進捗が表示されます。ここまではよかったのですが、進捗29%から一向に進まなくなってしまいました。この時、すでに夜中の午前3時です。

 あかん!やめっ!

ということで、電源を強制オフしました。自分もオフ(寝ました)しました。

Windows OSのセットアップ

 翌日、仕切り直しです。DELLサポートページを確認するとリカバリUSBメモリの作成方法がありました。昔のパソコンでは、本体の裏にWindowsのプロダクトキーが印刷されたシールが貼られていましたが、最近のパソコンにはシールは貼られていませんし、プロダクトキーが印刷された付属書もありません。
 プロダクトキーがわからないとWindowsをインストールできないと焦りますよね。最近のメーカー製のパソコンでは、パソコンのサービスタグ(シリアル番号)でWindows OSのライセンスが管理されています。逆にいうとWindowsのライセンスがパソコンに紐づいているため、そのパソコンが壊れたからと言って、別のパソコンにそのライセンスを使ってもインストールできないということですね。

 DELLサポートページからOSリカバリツールをダウンロードして、リカバリUSBメモリに貼られていたサービスタグを入れると、なんと違うノートパソコンの型名のものでした。そもそもリカバリUSBメモリに貼られていたサービスタブとノートパソコンの裏に記載されていたサービスタグと異なっていました。
リカバリできなかったのは、別のノートパソコン用のリカバリUSBメモリだったことが原因でした。

 原因が分かったので、OSリカバリツール上で正しいサービスタグを入力して、元のリカバリUSBメモリに上書きして作成できました。ノートパソコンの元々のOSはWindows10 Proでしたので、リカバリUSBメモリもWindows10 Proで作成されました。

 もし、ノートパソコンしか持っていなかったら、もう一度SSDを元に戻してノートパソコンでリカバリUSBメモリを作成する羽目になったところでした。

リカバリの開始

 リカバリUSBメモリを挿して、ノートパソコンの電源を入れて、しばらくするとリカバリUSBメモリからブートしてWindowsリカバリが始まりました。
最初に、使用する言語を選択します。

 セットアップが開始します。

 Windowsのライセンス条項に同意する画面が表示されるので、同意するにチェックをクリックして、次へボタンをクリックします。

 2つの選択肢が表示されます。
1つはアップグレードです。ファイルや設定、インストール済みアプリを引き継ぐ場合です。
もうひとつはカスタムです。Windowsのみインストールして、ファイルや設定、アプリなどはすべて削除されます。
 空っぽのSSDなので、カスタムを選択します。

 Windowsのインストールが実行されます。

 Windowsのインストールが終わって、Windowsの準備が始まります。

 Windowsのセットアップが完了しました。
リカバリ開始からわずか20分で完了しました。
 前日の夜中3時までの作業は何だったのだろう。時間を返せ!と言いたいところです。

 引き続き、Windows11 Proにアップグレードします。が、なぜかすぐにはできませんでした。
考えらる原因は、Windows10 ProのWindows Updateがされていないことが考えられます。

 リカバリした状態では、Windows10 Pro バージョン2004で、超古い状態でした。

 Windows Updateにより累積不具合修正などを更新して、メジャーバージョンアップの22H2にアップデートしました。

 Window11のダウンロードページに行き、アップデートを再開します。

 お決まりのWindows11にアップグレードできるかの要件チェックをクリアします。

 Windows11 Proにアップグレード完了です。
Windows Updateに時間を取られてしまい、アップグレード完了までに2時間かかりました。

ユーザー環境のセットアップ

 1TB SSDへのWindows11 Proのセットアップは、トラブルもあり二日がかりで完了しました。
次にユーザー環境のセットアップをします。まずはもともと持っているMicrosoft アカウントを設定して、Microsoft アカウントでログインしなおします。

 アプリをインストールしますが、当面はWebブラウザとOfficeぐらいでよいので、Microsoft365 Personal(いわゆるOffice)とGoogle Chromeだけインストールしました。Webブラウザについて、Microsoft Edgeはインストールされるのですが、Web設定はGoogleで管理しているのでChromeもインストールします。Microsoft365 Personalのサブクス ライセンスは複数のパソコンにインストールできるので、ノートパソコンにも入れておきます。これでOneDriveの1TBもデスクトップパソコンとノートパソコンで共有できるようになりました。

 Windows11の個人用設定でテーマをダークにしました。ノートパソコンのトラックポイントやファンクションキーに青色文字が施されていて、画面の色とマッチしていい感じになりました。
 ノートパソコンでは、画面のデスクトップにアプリのアイコンを配置しないようスッキリをキープしたいと思います。

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