【バックヤード】XP-Pen Artist13 2nd Gen液タブでブログ環境をパワーアップ

バックヤード

 2023年のGWからブログ環境のパワーアップに液タブXP-Pen Artist13 2nd Genを導入します。ブログの記事を作成する際に、写真に説明文や矢印などの追加を作画ソフトなどを使って編集しますが、ときどき味気無さも感じることがあります。手書きのイラストや説明なども取り入れていければと思い導入することにしました。

液タブ(液晶タブレット)とは

「液タブ」というのは、液晶(ペン)タブレットの略でペンタブレットの一種です。ペンタブレットとは、マウスの代わりに専用のペンで板状の装置にペン先を這わすとパソコンなどの画面上で、ポインタがその通りに移動する入力装置のことです。ペンタブレットのことを「ペンタブ」とか「板タブ」と略していわれています。

 移動量に応じてポインタが動くマウスとは異なり、ペンタブレットでは板状デバイスの長方形表面の範囲とパソコンのモニター画面の位置が1対1に対応しているので、ペン先を長方形範囲の左上隅に当てるとモニター画面の左上隅にポインタが位置します。言い換えると絶対座標でペン先の位置を検出します。マウスの場合は相対座標で位置を検出するものと言えます。

 お絵描きソフトにペンタブレットを使うと、まるで紙にペンで描くように絵をかくことができるようになります。ただ実際は、パソコンの画面を見ながら、ペンをタブレット上で操作して描き進めることになりますので、思った通り描くには慣れが必要です。ペンタブレットに慣れるまで使いこなせずにやめてしまうことが非常に多いようです。自分もそうでした。ただ、板タブを使っている漫画家やイラストレーターもいらっしゃるので慣れの問題だと思います。

 その操作感を液タブ(液晶タブレット)が解決してくれます。液タブは、ペンタブレットの板状のところに液晶画面が付いたものです。

 液晶画面がタブレットに備わることで、ペン先を見ながら描くと液晶画面にその線がほぼリアルタイムに表示されるので、まさに紙にペンで描くようにかけるようになります。

なんや、iPadやタブレットPCでできることと同じやん!

みやびん
みやびん

まあ、そうですわ

 液タブは、液晶画面が付いていますがiPadやタブレットPCのようにそれ自体ではソフトなどは何一つ入っていませんので、必ずパソコンやスマホ(※)が必要です。逆に言うとパソコンやスマホを持っていると液タブを購入すれば本格的にイラストなどを描ける環境が整います。あとはiPadやタブレットPCでも同様に自分に合ったお絵描きソフトの用意は必要です。
※液晶タブレットがスマホに対応している必要があります。

液タブ(液晶タブレット)の選定

 液タブを購入するにあたって、どういった種類があるかを調査する必要があります。調査したところ多数あったのですが、私の主観でメジャーどころ3社に絞って選定しました。

会社型名価格画面サイズ解像度ペンペン圧感度便利機能
AppleiPad 第9世代49,800~71,80010.22,160×1,620AP 1st(別売・充電式)非公開タッチパネル
AppleiPad 第10世代68,800~92,80010.92,360×1,640AP 2nd(別売・充電式)非公開タッチパネル
WacomCintiq 1699,88015.6フルHDバッテリーレス8192なし
WacomOne44,00013.3フルHDバッテリーレス4096なし
XP-PenArtist12 2nd28,00011.9フルHDバッテリーレス8192SCK:8キー
XP-PenArtist13 2nd35,98013.3フルHDバッテリーレス8192SCK:9キー
XP-PenArtist16 2nd44,98015.4フルHDバッテリーレス8192SCK:10キー
AP:ApplePencilの略、SCK:ショートカットキーの略。

 要求スペックは、イラストはメインではないので価格は低く抑えたい、作業場の広さから画面サイズは13インチ前後、解像度はフルHD以上、手書きの感覚を表現できるようにペン圧感度機能ありのあたりです。

液タブの要求スペック
  • 低価格…イラストはメインではないため
  • 画面サイズは13インチ前後…作業テーブルの広さの制約のため
  • 解像度はフルHD以上…パソコンと同じ解像度に合わせたい
  • ペン圧感度機能あり…手書き感覚を表現したい
  • タッチパネルまたはショートカットキー…アプリ/ソフトの操作を簡単にするのでほしい

 最初はiPadを考えていましたが、本体だけでなくApplePencilの購入も必要です。また、頻繁にイラストを描くこともないので、ApplePencilでは充電忘れやバッテリー切れ、劣化など何かと不便そうに思いました。電動工具でもバッテリータイプは使っていないので、同じ考え方です。

 そうするとWacomかXP-Penのいづれかに絞られました。Wacomは世界的に液タブでNo.1のメーカーと言われていますので、はずれはないと思います。Wacomを購入するとなると価格帯、画面サイズからWacom Oneの1択です。ただ、Oneはシリーズものではなく、海外メーカー対抗品に見えてしまいます。Cintiqシリーズの機能を踏襲したCintiq13があれば、まだ候補に残るんだけどね。残念。

 ちなみにWacom Cintiq16の2019年当時はネット通販で66,000円程だったのですが、現在は33,000円程値上げされている状況です。つまり、Cintiq16の実力値は66,000円相当ということです。値上がりした分だけで液タブ買えるって!(笑)
 また、タッチパネルもショートカットキーもないので、キーボードを左側に置くとか左手デバイスの追加購入が必要になります。Cintiq 16 Proならタッチパネル付きですが20万越えです。

 最終的にはXP-Pen Artist13 2ndに決めました。Artistシリーズで12、13、16、22、さらにArtist Proシリーズもあり、目的別、画面サイズ別にラインナップされている点で安心です。Artistシリーズに独自のX3スマートチップ(※)をペンに搭載することで感度を10倍向上させてリアルな描画を実現させています。
※XP-Penの(スタイラス)ペンはEMR(Electro-magnetic Resonance電磁誘導方式)のペンのため電源が不要です。電磁誘導方式とは、電磁誘導によって筆圧を検知する方式です。ペンの先端にはコイルがあり、液晶ペンタブレットには磁場が発生しています。ペンを液晶ペンタブレットに近づけると、コイルに電流が流れます。この電流の変化量を検知することで、筆圧を検知することができます。

あと、視差(※)を低減するためにフルラミネート加工が施されている点でも買いのポイントでした。


※液晶タブレットでは保護ガラスと液晶の間の隙間のために、視線によりペン先位置と描画位置に差が生じる現象です。なお、この図ではガラスの屈折は無視しています。

 また、XP-Penを購入すると特典ソフトがあり、6種類の中から1つを利用することができます。使用期間が決まったものから永久使用可能なものもあります。openCanvasというソフトは永久使用権が付いています。もし、何もソフトを持っていないのであれば、お絵描きソフトも付いているのでさらにお得です。

液タブ XP-Pen Artist 13 2nd Genの購入

 PCやモニターなどこういった商品は、リアルなショップで購入するのですが、今回はXP-Pen公式ストア(オンライン)で購入しました。ネット通販より安く送料無料(¥35,980)で購入できます。さらに公式ストア限定のXP-Penオリジナルトートバッグももらえます。
 GW中に注文したのですが、2日後の午前中に配達されました。早っ!GW中に使えてよかったです。

 精密品のため緩衝材入りでしっかり梱包されて配達されました。安心です。
 おまけのトートバッグも入っていました。(ニコ)

 これがおまけのXP-Penオリジナルのトートバッグです。液タブとケーブルを入れての持ち運びや買い物時のマイバッグとしても使えますね。

 きれいな箱に梱包されています。Artな気持ちにさせますね。

内容物は以下です。
液晶タブレット、3in1ケーブル、USB延長ケーブル、スタイラスペン、替え芯(11本)、替え芯抜き、2本指グローブ、クリーニングクロス、クイックガイド、保証書

 Artist16 2nd Gen本体です。左側に9個のショートカットキーがあり、右側にUSB Type-Cポートが2つあります。1つはパソコンへ繋げるための3in1ケーブル用ポートで、もう1つは、Androidスマホに接続するポートです。Androidスマホの他にノートパソコンでデータ転送、映像出力、給電に対応したUSB Type-Cポートなら接続できます。

液タブ XP-Pen Artist 13 2nd Genの接続

 液タブ XP-Pen Artist13 2nd Genをいよいよパソコンに接続します。先日、中古ノートパソコンも購入したので、デスクトップパソコンと両方で接続できるようにしたいと思います。

 まずはノートパソコンから接続します。

 ノートパソコンと液タブを接続するときの配線です。同梱の3in1ケーブルで接続します。ノートパソコン側には、HDMIポート1つとUSB Type-Aポート1つまたは2つ必要です。HDMIポートからノートパソコン側の映像を出力して液タブ側に映し出します。USB Type-Aポートはスタイラスペンの位置、筆圧、ショートカットキーなどのデータ送信を行います。赤色のUSB Type-Aケーブルは液タブへの給電用に使われます。したがって、赤色のUSB Type-Aケーブルは5V 2A以上のACアダプタに接続することもできます。

デスクトップパソコンと接続する場合はちょっとややこしい!

 次に自作PCのデスクトップパソコンに接続します。

 デスクトップパソコンでは、モニターを接続するためにHDMIポートを既に使っていると思います。空いたHDMIポートがなく、液タブがそのままでは付けられない事態になります。

大変にゃん!液タブが使えないにゃん!

みやびん
みやびん

大丈夫だよ!

DisplayPort-HDMI変換ケーブルで解決!

 DisplayPort-HDMI変換ケーブルを使って、デスクトップパソコンと液タブを接続することで解決できます。

 ただし、DisplayPortをHDMIに変換するアダプタや変換ケーブルを用意する必要があります。

 このDisplayPort-HDMI変換ケーブルを購入しました。注文したら翌日朝9時に届きました。

なんか難しいにゃん! DisplayPortがなかったらどうするにゃん!

みやびん
みやびん

こっちの方法もあるよ!

VGAまたはDVIケーブルで解決!

 大抵のデスクトップパソコンにはVGAポートかDVIポートがあるので、モニターの接続をVGAかDVIに変更することで、空いたHDMIポートを液タブ用に使うことができます。ただし、この場合もVGAケーブルかDVIケーブルが必要ですがモニターを購入したときにどちらかは付属していると思います。

 ただ、VGAまたはDVIに変更すると、スピーカー付きモニターでは音声は出力できなくなります。VGAやDVIは映像信号の出力のみで音声信号の出力はできないためです。私の環境では、デスクトップパソコンのサウンド出力からミニアンプ経由で外付けオーディオスピーカーに接続もしているので、凌げます。

 だけど、ミニアンプの電源も入れる必要があるのでちょっと手間です。なので、DisplayPort-HDMI変換ケーブル方式で接続しています。

液タブ XP-Pen Artist 13 2nd Genのドライバをインストール

 ノートパソコン、デスクトップパソコンとも物理的に接続できるようになりました。次にArtist13 2nd Genを使えるようにドライバをインストールします。

WebブラウザでXP-Penのダウンロードページを開きます。

 製品カテゴリを選択したり型名で検索したりもできますが、絵入りの型名一覧が表示されているので対象機種のArtist 13(2nd Generation)を選択します。

ダウンロードボタンをクリックしてWindowsOSの最新日付のドライバをダウンロードします。他にはMac OS用、Linux用のドライバも用意されています。

ダウンロードしたZIPファイルを解凍して、できたEXEファイルをダブルクリックして実行します。

 ユーザーアカウント制御画面が表示されたら、「はい」をクリックします。するとインストール画面が表示されます。ソフトウェアライセンス契約書を読んでチェックを入れて、インストールボタンをクリックします。

 インストールが開始されすぐに完了します。

 ドライバを有効にして起動するためにパソコンを再起動します。

最初にディスプレイを「表示画面を複製する」設定にしましょう

 使うにあたって一番最初にしておくのが、ディスプレイ設定です。液タブをパソコンに繋げると、2画面状態になる場合が多いです。2画面というのは2つ目のディスプレイとして認識されます。パソコン画面を広くしたいときに2台目のモニターを設置する場合の設定です。

 しかし、液タブではディスプレイの複製として設定します。複製とはパソコン画面と同じ画面を液タブ側にも表示するという設定です。モニターが高品位で色再現性のよいモニターであれば、色を確認しながら作画ができます。

 Windows11の場合、[設定]>[システム]>[ディスプレイ]の順で設定画面を開きます。

 2画面の状態になっていることがわかります。「1」がパソコンのモニターを表し、「2」が液タブの画面を表しています。

 これを複製に変更します。[表示画面を拡張する]をクリックします。

 表示されたメニューから[表示画面を複製する]をクリックします。

 しばらく画面が真っ暗になり、「ディスプレイの設定を維持しますか?」の画面が表示されるので[変更を維持]をクリックします。これで、複製になり、パソコンのモニターと液タブの表示が同じものが表示されるようになります。

 設定が「1/2」となり、「表示画面を複製する」になっていれば、複製になり、パソコンのモニターと液タブの表示が同じものが表示されるようになっているはずです。
なお、「ディスプレイの設定を維持しますか?」の画面のままにしておくと、元に戻ってしまいます。戻ってしまったらもう一度、[表示画面を複製する]をクリックすることで設定を変えられますので、今度は[変更を維持]をクリックしましょう。

 こんな感じでパソコンのモニターと液タブの表示が同じものになります。

Artist13 の設定

 ここでは、液タブArtist13の設定を行います。

 ドライバをインストールするとデスクトップ上にXP-Penのアイコンが現れます。

 Artist13液タブの画面/作業エリアの設定、ペンの設定、およびエクスプレスキー(ショートカットキー)の割り付け設定が行えます。
 エリア設定のキャリブレーションをすることで視差をさらに低減することができると思います。

 エクスプレスキーの設定では、デフォルトで設定されていますが、特に拡大・縮小、右回転・左回転の設定は必須と思います。

お絵描きソフトのインストール

 お絵描きソフトについて、私は初心者なのでさっと調べた程度です。他にも多くのソフトがあります。用途によっても選択するとよいと思います。

ソフト名内容・費用
Photoshopプロ仕様です。プロを目指すなら使えるようになっておきたいソフト。
月額2,728円のサブスク。買い切りはなし。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)初心者からプロまで幅広く支持されているソフトです。各社液タブもこのソフトとよく連携されています。
PRO:月額480円(年額2,800円)、無期限、一括払い:5,000円
EX:月額980円(年額7,800円)、無期限、一括払い:23,000円
アイビスペイント少し使ってみましたが、操作は簡単そうでした。
Windows版:1日1時間まで無料。買い切り:2,350円
iOS/Android版:無料で無制限。買い切り:1,500円、プレミアム会員:月額300円(年額3,000円)
openCanvasXP-Pen 特典ソフトとして、永久使用版をダウンロードできます。
初心者から上級者まで使えるWindows専用ソフト。
ダウンロード版:6,800円、パッケージ版:7,800円、STEAM版:6,000円

 私の場合は、3年前に板タブと合わせてCLIP STUDIO PAINT PRO Ver.1.0の無期限版を購入していましたので、Ver.1ですが今でも使えます。また、openCanvasは、特典ソフトとして入手できました。openCanvasの画面はクリスタとよく似ていますので、違和感はなさそうです。

 アイビスペイントは知り合いの紹介で知っていました。その時は無償と聞いていましたがWindows版は制限付きだったので使うのをやめています。また、機会があれば使用を考えます。

 当面は、クリスタを使ってみようと思います。

液タブArtist13とクリスタを使ってみよう!

 さあ、液タブArtist13とクリスタの組み合わせで使ってみよう! Yeah!
ちょっとだけペンタッチを確認しただけの動画です。悪しからず。

液タブで絵を描いてみました

 これでブログが終わってしまうと、結局液タブで何ができるのがわからないままなので液タブ、クリスタに慣れる意味でも絵を描いてみました。

我が家のプーマです。ちょっと渋いプーマになってしまいました。作成には7時間ぐらいかかりました。

作成の種明かし

 種を明かしをすると、以下のような手順で作成しました。

 この写真をクリスタに取り込みます。

 取り込んで配置を決めます。

 取り込んだ画像の上にレイヤーを追加して、線で模写していきます。色は、クリスタの「スポイト」機能で画像の色をコピーします。その色で線を描いていきます。これの繰り返しです。ここが一番時間がかかりました。

 できたらそのレイヤーをコピーして画像と線画レイヤーの間に挿入します。
線画のままだと、隙間だらけなので複写した線画に対して、「色混ぜ」機能を使ってぼかしていきます。隙間なくぼかします。

 次に、絵を引き立たせるために、髭を別のレイヤーで描きます。線画レイヤーの上に挿入して髭だけの絵を描きます。

 すべて出来上がったら、上から髭・線画・ぼかし・背景のレイヤーを重ね合わせます。背景もレイヤーとして一番下に追加して、黒でべた塗りしました。
最後に元の画像レイヤーを非表示にします。
このようにして出来上がりました。

最後に、PNG形式のファイルに出力すると、最初の画像になります。
素人でもこんな風にできるので面白いですね。板タブではうまくできませんでしたので液タブは断然、使いやすいです。

まとめ

 今回は、液タブをブログに導入するにあたり、液タブの選定、購入、パソコンとの接続、お試しお描きまでをしてみました。これから少しずつブログに反映していきたいと思います。

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