前回、自作PCのTPM2.0を有効化して、Windows11のシステム要件を満たすことができました。今回は、いよいよ自作PCをWindows11にアップグレードしていきます。
自作PCのバックアップ
OSを変更するときに、最も注意することは以下の2つですね。
自分データは、予めバックアップを取っておくことで回避できます。
よく使うソフトが動かなくなるのは、残念な状態ですね。OSを元に戻すか、ソフトがWindows11に対応するまで我慢するかですね。なので、OSを元に戻せるようにシステムもバックアップすることで回避しようと思います。
自分データのバックアップとシステムのバックアップをするということは、ディスク丸ごとフルバックアップするのがお手軽です。
自作PCのデータ管理
自作PCには下表の2つのドライブを備え、自作PCの故障時対策用にクラウドを活用しながら、データ管理しています。
ドライブ | ドライブ種別 | 保管データ種別 | 備考 |
---|---|---|---|
C: | 500GB SSD | 1)OS(Windows10) 2)ソフト 3)自分データ | 作業用 |
D: | 1000GB SSD | 1)自分データバックアップ 2)写真・動画等生データ | バックアップ用 |
クラウド | 1)Googleドライブ 2)OneDrive | 1)写真・動画等生データ 2)自分データバックアップ | 自作PCの故障時対策用 |
CドライブにOS、ソフト、自分データを格納しています。Dドライブには、自分データと撮影した写真、動画の生データをバックアップしています。また、その他にはGoogleドライブやOneDriveなどクラウドにもバックアップしています。
普段使いのバックアップ
少しWindows11アップグレードから横道にそれますが、普段使いのバックアップについて紹介します。
普段使っているバックアップツールは「FreeSyncFile」というフリーのファイル同期ソフトです。使い方は簡単で、Cドライブの自分データを保存しているフォルダ(①へ)とバックアップ先のフォルダ(②へ)をドラッグ&ドロップし、バックアップする方向を指定(③で)するだけです。バックアップする方向とは、フォルダ間の両方向か、一方向かということです。Cドライブがマスター(主)となるので、一方向になります。
最後に同期処理を実行(④をクリック)すると、Cドライブのフォルダからバックアップ先に差分のファイルをコピーして同じ状態にしてくれます。
ただ、同期処理を都度実行するのは手間ですが、このソフトには「RealTimeSync」というソフトも同梱されています。 「RealTimeSync」 は監視するフォルダ(①)にCドライブの自分データのフォルダをドラッグ&ドロップし、「FreeSyncFile」で設定した内容を保存したBatchRun.ffsファイルをコマンドライン(②)に指定した後、開始ボタン(③)をクリックして実行させておくと、監視フォルダ内のファイルの追加/変更/削除の変化があると、ほぼリアルタイムにファイル同期を実行してくれます。
有名なフリーソフトなので、Webで検索するともっと詳細な使い方が多数紹介されています。 詳しく知りたい方はそちらを参照してください。
Cドライブのフルバックアップ
先ほどは自分データのバックアップについて説明しました。フルバックアップと何が違うのでしょう。OSは、単にOSがインストールされているフォルダだけではなく、パソコンの電源を入れたときにOSを起動するための情報が書き込まれたブート領域もあります。このブート領域はユーザーには見えないところにあるので上述のようなツールではバックアップできません。
また、ファイル以外にOSにはレジストリ―という、OSやソフトがどういう設定で起動したらよいかの設定値が書き込まれた情報領域もあります。これも上述のツールではバックアップできません。
これに対応したOSなどもバックアップできるツールがあります。自作PCの500GB SSDは「Westarn Digital社(WD社)」のSSDを使用しています。WD社では自社製HDD/SSDを使用している場合、無償で「Acronis True Image WD Edition」というバックアップツールを使用できます。
このツールは世界的に認められているバックアップソフトのAcronis True Imageがベースとなっていますので、これを使ってバックアップしたいと思います。
この他には、「EaseUS Todo Backup Free」のフリーのバックアップソフトも有名です。こちらを使ってもよいと思います。ただ、こちらのフリー版は使用できる機能に制限がありますので確認してください。
「Acronis True Image WD Edition」を起動した画面です。これもCドライブを丸ごとバックアップするので設定は簡単です。バックアップ対象(①)を選択します。
バックアップ対象の一覧が表示されるので、ディスクとパーティション(②)を選択します。
これを選択すると、復元する際にディスク丸ごと復元やパーティション単位の復元、ファイル単位の復元と細かく復元方法を選択できます。
最後にバックアップ対象のCドライブを選択(③)します。
バックアップ対象(①)の設定が完了し、続いてバックアップ先も同様に画面に従って選択します。バックアップ先は予めDドライブにバックアップフォルダを作成しておき、そこを選択(②)します。
バックアップ完了した状態です。使用容量にもよりますが時間にして20分弱程度でした。
Windows11にアップグレード
準備が整ったので、Windows11にアップグレードします。
Windows11インストールアシスタントとディスクイメージのダウンロード
今すぐアップグレードしたいので「Windows11 インストール アシスタント」を使って行いました。Microsoft HPページから 「Windows11 インストール アシスタント」 をダウンロード(Windows11InstallationAssistant.exe)します。
また、Windows11 ディスクイメージ(ISO)も一緒にダウンロード(Win11_Japanese_x64v1.iso)しました。パソコンでISOイメージをマウントすれば、ディスクドライブを参照しているように見ることができます。Windows11の機能を追加利用する際にディスクドライブを要求される場合があるのでディスクイメージは必須です。
Windows11アップグレード
ダウンロードした「 Windows11InstallationAssistant.exe 」を実行すると、Windows11のライセンス条項に同意の画面が表示され、[同意してインストール]をクリックします。
Windows11のダウンロードが開始します。パソコンは使い続けてもよいようです。
続いて、ステップ2のダウンロードの確認に入りします。先日、インターネットプロバイダーを変更して、IPv6(IPoE)接続の効果もあってあっという間にダウンロードが完了します。
ステップ3はインストールです。いよいよか。
再起動要求になりました。
当然、[今すぐ再起動]をクリック!
実は今の時間は、夜中の1時34分です。
Windows11が立ち上がりました! デスクトップのアイコンは一時的に非表示にしています。
最後に
もう、夜も遅いのでざっと自分データの確認とよく使うソフトを起動してみましたが、特に問題となるところはありませんでした。
全体的なUIはあっさりになりました。よく使うエクスプローラーは顕著ですね。リボンメニューが無くなっています。Microsoftはユーザーの操作やデータを収集しているので、あまり使われていない機能を見せなくしたのでしょうね。Microsoftサービス規約を一度は見てみると興味深いです。
Windows11での特徴的変化は、Windowsスタートのタスクが中央になったことですね。
最近のモニターは横長のためマウスの移動距離を改善したのでしょうか?それともMacのUIを認めたのでしょうかね。(笑)
もう慣れましたが、最初はついマウスを左端に持っていってしまいます。(笑)
スタート位置を左端にする方法(おまけ)
スタートの位置を従来の左端にすることができます。
[設定]>[個人用設定]>[タスクバー]>[タスクバーの動作]>[タスクバーの配置]の設定を「中央揃え」から「左揃え」にすることで変更できます。
こんな感じになります。好みですが、やっぱり中央の方が目新しくていいですね。
結構深いところに設定があるので推奨はしていないということでしょう。(笑)
これで自作PCのWindows11へのアップグレードが無事完了しました。
皆さんもアップグレードいかがですか?