先日、車のバッテリー交換した際に、エンジンルームの隙間にレンチを落としてしまい、取り出すのに難儀しました。急遽、差金(曲尺)の先にテープでマグネットを巻き付け、即席のピックアップツールをこしらえて凌ぎました。
年に1,2度は隙間や手の届き辛いところに小物を落としてしまうことがあります。そこで、ピックアップツールを作って、隙間に落ちてもそれを拾うことを楽しみに変えてしまおうと決意しました。
買い物ついでに百均に立ち寄ったところ、いいものが売っていました。
キャップなどで火起こしに使用する携帯の火吹き棒です。伸縮自在の中空アンテナのようなものです。62㎝まで伸ばすことができます。この先にマグネットを付ければよさそうです。早速、購入しました。
まずは、袋を開けて物の確認です。
細い側のパイプ太さは5㎜、太い側のパイプ太さは10㎜でした。加工しやすい寸法です。
ピックアップツールのマグネット部の作成
ツールクリッパーというものです。半田付けする際に、電子部品などをクリップで挟んで位置を固定するのに使います。
ただ、持っていましたがほとんど使う機会ありませんでした。
このクランク部(矢印部分)と同じや!
これ使おう!
パーツクリッパーからこの部品を拝借します。矢印①に火吹き棒の細い方のパイプを差し込めそうです。また、矢印②にマグネットを付けられそうです。
だけど、この矢印のツマミ付きネジや蝶ナットは野暮ったいです。もっと、はみ出さないようにしたいと思います。
この部品をばらしました。二つのツマミ付きネジと蝶ナットを普通のネジとナットに変更します。
ツマミ付きネジと蝶ナットをM4ネジに変更しました。出っ張りがなくシンプルになりました。
ちょうど、パイプがはまりました。ただ、パイプが抜けないようにネジを締め付けると、薄いパイプが凹んでしまいます。凹むと緩んでパイプが抜けてしまいます。
パイプが変形しないようにパイプに詰め物をしたいと思います。パイプの直径が5㎜なのでM5のネジを少し細く削れば、パイプに収まりそうです。
そこで、M5ネジをグラインダーで削りました。パイプの先端で止まる程度まで、ネジ頭の側面も削りました。
パイプの中を埋めるようにネジが入ります。これでネジで締めこんでもあまり変形しなくなります。
中身が詰まっているパイプを差し込んでM4ネジでしっかり固定できました。ネジにツマミがなくなりすっきりしました。
保有品の超強力マグネットです。もともと、百均で購入していたものです
金具は鉄なので、マグネットもしっかりくっ付きます。金具とマグネットを固定するか磁力だけでよいかはもう少し検討です。
ピックアップツールのグリップ(握り部)の作成
ピックアップツールの先端のマグネット部は作成できました。
次に、10㎜パイプのままでは持ちづらいのでピックアップツールのグリップを作成します。
栗の木の端材を使って、グリップを作りたいと思います。
栗材の特徴は、以下です。
・やや重硬
・弾力・反張力に富む
・耐湿性に優れている
・加工性は中程度
用途
・建築、家具、器具、枕木
テーブルそーで必要な大きさ(40㎜角、長さ85㎜)にカットし、グリップ形状を側面にケガキしました。
パイプを通す部分のケガキです。Φ10の穴をあけます。
Φ10の木工ドリルで深さ40㎜の穴をあけました。
パイプをねじ込んで嵌められました。簡単には抜けず、ちょうど締め付け具合です。
荒取りはバンドソーで切ります。
厚みのある木材を切るにはバンドソーが便利です。
ざっくり荒取りできました。
ディスクサンダーでボール部を研磨しました。
あとは、ひたすら木工ヤスリ掛けです。ヤスリで手を切らないように左手に皮手袋を付けて作業します。1時間ほどヤスリ掛けしました。
最後に240番のペーパーヤスリで研磨しました。
本当は、クリアのワックスにしたかったですが、持ち合わせていないのでウォールナットワックスを使いました。
たっぷり塗って、30分ほど乾かします。
ウエスで手に付かなくなるまでふき取り、磨きました。やっと、グリップが完成しました。
ピックアップツールの完成
グリップにパイプを差し込んで、ピックアップツールの完成です。
目いっぱい62㎝まで伸ばした状態です。扱いやすい長さです。
ピックアップツールの収納
収納時は、柱に大きめのワッシャをネジ止めしたところにマグネット部をくっ付けて収納します。強力なマグネットなので、ぐらぐらしません。
先端金具とマグネットの固定については、グルーガンのグルー(樹脂)で固定しました。磁力だけでは収納から取り外すときにマグネットが置いてきぼりになってしまうためです。
早く、隙間に物が落ちないかな~。楽しみ~。(笑)