【家アラカルト】JOG SA55Jにキタコの「i-MAP」を取り付けて坂道快走!?

家アラカルト

 我が家は小高い山を切り開いた造成地に建っています。いつも通勤で最寄り駅まで原付JOGに乗っていきます。行きは坂道を下るのでスムーズですが、帰りは上りです。最後の上りがきつくてJOGが息切れしてしまいます。その坂はコーナーの登りで側道はほとんどなく、ガードレールがすぐ迫っています。反対車線の下りからは大型貨物トラックがガンガン走ってきます。後続車に道を譲ることもままならない状況です。

 今の原付は排ガス規制などにより4ストエンジンになっています。その上馬力も抑制されており坂の多い地域では車との速度差が大きく、安心して走れない状況です。
 我が家のJOGのスペックは以下です。

メーカーヤマハ
型式JBH-SA55J
最高出力4.5PS/8,000r/min
最大トルク0.43kgf・m/6,500r/min
エンジン水冷4ストローク
SOHC3バルブ単気筒
車両重量84㎏
発売年2017年

 参考に大学時代に乗っていた原付は、スズキ・カーナです。出力差は2馬力、トルク差は0.29kgf・m、車両重量差は30㎏とすべてにおいて優っています。これならきつい上りもスムーズなことでしょう。

メーカースズキ
型式CA18A
最高出力6.5PS/6,500r/min
最大トルク0.72kgf・m/6,000r/min
エンジン空冷2ストローク
ピストンリードバルブ単気筒
車両重量54㎏
発売年1986年

 日本製品は、常にスペックを向上させていくのに、この体たらく…

キタコの「 i-MAP」とは

 キタコの「i-MAP」とは、FI車の燃料噴射量を補正するコントローラーです。キタコのパーツ類との組み合わせパターンに合わせた燃料噴射量の最適なマップをインストールしたコントローラです。コントローラのスイッチを選択するだけで最適なマップを選択することができます。

i-MAPのマップNo.と仕様一覧

 例えば、既存マフラー(消音器)より排気効率のよいマフラーに変更した場合、それに適した燃料噴射量にしてくれるコントローラです。また、排気量50㏄のエンジンをボアアップして排気量を大きくすると、当然に必要な燃料噴射量は増やす必要があります。これもスイッチを変更するだけで対応してくれるものです。

 さらに、このi-MAPをパソコンにつなげる部品を付けて、アプリをインストールすることで自分オリジナルのマップを作成してi-MAPに書き込むことができます。おもしろそ~。

FI車とは

 FI車の「FI」とは、フューエルインジェクションの略で、電子制御式燃料噴射システムということです。気温や湿度や車速、回転数などさまざまなセンサ情報をコンピュータに入力して、最適な燃料噴射量を算出し、燃料ポンプを加圧することでエンジン内に燃料を噴霧させ、スパークプラグの点火で爆発させて出力を得ます。これをものすごい速さで繰り返すことで低燃費で低公害な走行ができるというわけです。

リミッターカット

 今回は、ノーマルの状態でi-MAPを取り付けます。取り付けることでリミッターカットできます。ノーマルではリミッターがあるためエンジンは8,000r/minまでしか回らないように制御されています。i-MAPを取り付けることによって、リミッターが外れ10,000r/minまで回すことができるようになります。

 リミッターカットによって、上り坂でのエンジンの息切れを改善したいと思っています。

i-MAPの購入

 キタコのi-MAP購入をネット通販で購入しました。i-MAPは車種と型式のあったものを購入する必要があります。歴史のあるJOGには2スト、4ストがあり型式もたくさんあります。我が家のJOGの型式は「JBH-SA55J」でいわゆる「SA55J」に適合したi-MAPを購入します。

 段ボールの封筒でやってきました。値段は税込み\14,732でした。

 お決まりのプーマの登場です。『また、何を買ったのだ?』と言いたげな風格です。

 15㎝×25㎝程度の大きさです。四角でi-MAPと書かれているものがコントローラです。あとはエンジン回りのワイヤーハーネスと簡単な取説が入っています。

左上から、

  • O2センサキャンセラー
  • i-MAP本体
  • 取説
  • 結束バンド
  • ワイヤーハーネス

i-MAPの取り付け

バッテリーのアース線外し

 まず、バッテリーのアース線(⊖線)を外します。バッテリーは、足元のカバーを開けたところにあります。

 バッテリーカバーはトルクスネジを外して開けます。トルクスネジは星型のくぼみになっているので、専用のトルクスレンチを使います。バイクや車の整備をするなら、トルクスレンチセットは必需品です。

 バイクや車の電気関係の作業をする場合は、必ずアース線を外します。感電や電子機器故障の防止のためです。

シートの取り外し

 次に、シートを外します。
シートは4本のM10ボルトを外すことで簡単に取り外せます。

 シートを外すとエンジンが見えてきました。
真ん中に見える部品がインジェクターの部分です。

エアーインテークの取り外し

 エアーインテーク本体は3本のM10ボルトで固定されているので外します。
本体が外れても本体が出ている2本のホースがエンジンとつながっているので、まだとれません。

 インジェクターに繋がっているエアーインテークのホースを外します。ホースはホースバンドで固定されています。六角レンチを使ってホースバンドを緩めます。
 傷つけないようにマイナスドライバーの先でホース口を押して、ホースを抜きます。

 もう1本の細いホースです。こちらはホース止めクリップをずらせば、簡単に外すことができます。

 これで、エアーインテークを取り外すことができました。
 エアーインテークを外せば、そこから手を突っ込んでインジェクターの下のコネクターに手が届きます。急がば回れ方式です。

ワイヤーハーネスの取り付け

 ワイヤーハーネスのコネクタを写真の赤丸(①、②、③の所)に取り付けていきます。④は、O2センサキャンセラーという別部品のコネクターを付けます。
 やり方は簡単で、エンジン側のコネクタ(オス)を抜いて、ワイヤーハーネスのコネクタ(オス)に差し替えます。そして、エンジン側から抜いたコネクタ(オス)をワイヤーハーネス側のコネクタ(メス)に挿します。これを3か所同じように行います。コネクタの形状はすべて異なるため、挿し間違えることはありません。

1つ目のコネクタ

 1つ目のコネクタ①です。遮るものがないので最も簡単な作業です。

 コネクタ①はワイヤーハーネス側のコネクタを挿したところ、コネクタ②の下側はワイヤーハーネス側のコネクタで上側がエンジン側のコネクタです。

2つ目のコネクタ

 2つ目のコネクタ②です。インジェクターの下にあるコネクタですが、上から手を入れるのはかなり厳しいです。
 この作業のためにエアーインテークを取り外しました。

 エアーインテークの方から手を突っ込んでいるので簡単にコネクタを抜くことができました。

 見えづらいですが、インジェクターの下のコネクタにハーネス側のコネクタを挿して、ケーブルがループになっている側にハーネス側とエンジン側のコネクタを挿しています。

3つ目のコネクタ

 3つ目のコネクタ③です。ビニルのカバーをめくって、コネクタを出します。コネクタを抜いたところです。

 ハーネス側のコネクタに差し替えて、エンジン側とハーネス側のコネクトを挿したところです。

 接続したコネクタ一式をビニルカバーに収納します。1つコネクタが増えた分、ちょっときつ目です。

ワイヤーハーネスの取り回した結果です。既存のハーネスの下に通すのがよいのでコネクタに挿す前にハーネスを配置しておくと作業が捗ります。

4つ目のコネクタ

 最後に4つ目のコネクタを挿します。
4つ目は、このビニルカバーに収納されています。このビニルカバーを捲るのが手間でした。思ったようにビニルカバーが動かずです。

 ようやく、カバーを捲ることができました。
ふぅ~。

 既存のコネクタを抜いたところ。

 O2センサキャンセラーのコネクタを差し込みます。O2センサキャンセラーはターミネータになっているので、エンジン側のコネクタはオープン状態です。

 オープンのコネクタには黒のビニルテープを巻き付けて埃や水がかからないように養生しておきます。

シートボックスの穴あけ加工

 i-MAPコントローラをシートボックス内に収納するため、ワイヤーハーネスを通す穴をシートボックスに開けます。
 あたりを付けて、開ける位置にテープでマーキングしておきます。

 20㎜ぐらいの穴をあけるとちょうどよさそうなので、Φ21のドリルで開けます。

 これぐらいの位置に開けました。底から6~7㎝あたりです。

i-MAPのアース線の取り付け

 i-MAP側のアース線をバッテリーの⊖端子に接続します。配線はフートレストの下側に通すため、針金を先に通して、アース線端子に結んでから、針金を引っ張ってアース線を通します。

 アース線をバッテリーにつなぎました。

i-MAP本体の取り付け

 シートボックスの穴にハーネスを通します。
ハーネスを挟まないようにシートボックスを元に戻します。

 i-MAPをシートボックスに入れて、白のコネクタと3本(赤1本,黒2本)をワイヤーハーネスにつなげます。

 繋げました。黒2本はどちらにつなげてもよいようです。
 シートボックス内のi-MAPの収納方法はヘルメットの収納も考慮して別途考えたいと思います。

 i-MAPのスイッチを確認します。初期設定ではすべてOFFでノーマル時の設定になっていました。このままでOKです。

以上でi-MAPの取り付け完了しました!

始動できるか!

 配線を最終点検して、問題ないことを確認しました。

イグニッションキースイッチ、ONNNNNN

おぅ~!点灯しました。

回路上は、問題なさそうです。作業時間は2時間(写真撮影込み)。

JOG、行きまーす!

 JOGの試走してきました。マップNo.と感想を以下に述べます。
考察
 目的であった急な登坂での走行については、ほぼ変化なしであった。特に速度ゼロからの登坂走行ではエンジンの回転数が上がらないので、リミッターカット域まで辿りつかない。
 無段変速機(CVT)ではなくマニュアルミッション(MT)であれば、1速で引っ張れるから高回転域を使えるかもしれません。

 次に平道、緩い登坂での走行については、ノーマルに比べて高回転域での伸びが格段に違いました。
原付の最高速度は30㎞/hなので、ここで何キロ出たなどと野暮はことは申しませんが…

 急な登坂でも、平道での助走があれば速度低減は少なく済みました。

セッティング
 JOG自体はノーマルに横綱部品のプーリーを装着しています。セッティングとしては、マップNo.3を選択しました。

マップNo.試走の感想
平道、緩い登坂:ノーマル時との違いがあまり感じなかった。
急な登坂:変化なし。
2平道、緩い登坂:リミッターカットを感じた。今までの回転域からもう一段伸びる感じを実感した。
急な登坂:ほぼ変化なし。
3平道、緩い登坂:リミッターカットを感じた。マップNo.2より少し伸びる感じを実感した。
急な登坂:同上
4平道、緩い登坂:マップNo.2と同程度
急な登坂:マップNo.2と同程度
5平道、緩い登坂:エンジン音が少し低い感じ。高回転域ではマップNo.2と同じ感じ。
急な登坂:エンジン音が少し低い感じ。走行性はマップNo.2と同じ感じ。
6~10未確認(確認予定なし)
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