2005/12/04
この「家アラカルト」のコーナーは、家の修繕などを纏めておこうと作りました。この家も7年目を向かえそろそろ傷みが出てくるころなので、その時々に履歴として残しておこうと思います。
そこで、今年も障子を張り替える季節になりましたので、自分風のやり方をメモしておこうと思います。
これが障子張替え道具セットです。ここまで纏まるまでに6年かかりました。(そんな、たいそうなもんではないですが・・・)
道具セットの中身です。
1.水溶き糊を入れるケース
道具をしまう箱も兼ねています。
2.糊用刷毛
もう少し、幅広のものが効率よいです。
3.スポンジ
障子紙を広げるのに使います。
4.ハサミ
ロール状の障子紙を切るのに使います。
5.障子紙用カッター
水の付いた障子紙がきれいに切れます。
6.割り箸
障子紙を剥がした残りカスをはつります。
7.ステンレス製押さえ
カッターで切る為に障子紙を押さえます。
8.プラスチック製押さえ(右上)
今では使いません。
9.ビニルシート
防水シート代わり。
10.ピン(赤いやつ)
隅押さえ。
11.霧吹き(写真にはないです)
12.新聞紙(写真にはないです)
そのほか、糊も必要です。
以上です。
まず、去年張り替えた障子紙を剥がします。ぜんぜん綺麗なのですが、一年の汚れを落とします。障子を外し、立てかけます。下には、ビニルシートを敷きます。これから水を使って障子紙を剥がすので、ぬれないように敷きます。
霧吹きで障子の桟に沿ってたっぷり吹きかけます。これで糊を溶かして剥がせるようにします。
決して、ストレス発散の為にむちゃくちゃに穴を明けたりして、破らないように。後悔とストレスが溜まります。
満遍なく水を吹き付けたところです。
満遍なく水を吹き付けている時間で糊は溶けるようです。特に、時間を置く必要はなく剥がしにかかります。
上隅から剥がし始めます。斜め下にゆっくり引っ張っていくと綺麗に剥がせます。綺麗に剥がすには、去年障子を張るときに、糊を薄くして張ることがコツです。こってり糊付けすると溶けるのに時間がかかりますし、途中ではがれずに破れたりしてしまいます。
半分程剥がしたところです。綺麗に剥がせています。昔の障子紙はどうか知りませんが、今の障子紙は丈夫なので作業もしやすいです。
1枚剥がし終わったところです。剥がした紙は、大きいごみ袋にすぐに入れます。作業の邪魔にならないように、都度、片づけます。それが張り替えの成功への道です。
ここで、割り箸が活躍します。剥がした後、桟に残った剥がしカスをはつります。割り箸の先を斜めにカットしておくと、よりやりやすいです。さらに、あれば竹材の方が丈夫でよいようです。
横着して爪では、はつらないほうがよいです。棘が刺さったり、勢い余って爪が剥がれたり、割れたりする可能性があります。
雑巾で桟に溜まった埃を拭き取ります。うちの桟は本数が多くて手間がかかります。しかしながら丁寧にするか否かで障子張り後の結果が変わります。張り替えた紙に汚れが移りシミになったりします。
これを全ての障子に対して繰り返します。うちの障子は、大きい障子が2枚、出窓用小ぶりの障子が4枚あります。全部剥がし、清掃するのに1時間強ぐらいでしょうか。
この作業を前日の夜にやっておくと疲労が少なくはかどります。今回はまとめて、いっぺんにやっています。
いよいよ、障子貼りです。まずは、水溶き糊をつくります。糊は余っても残しておくことができないので、ちょびちょび使うことはせずに全部桶に入れます。水で薄めてしゃぶしゃぶにします。
桶には沢山の水溶き糊ができ、重くなりますので直接桶から刷毛で塗ると作業性が悪いです。そこで、惣菜などに使われるトレイに刷毛で糊を掬って、糊付けします。
直接桶のまま作業をすると、桶の縁に立てかけた刷毛が倒れて糊の中に浸かってしまうと、とても悲しいです。
次に、障子張りの準備をします。部屋一杯に新聞紙を敷き詰め、糊が垂れても床がぬれないようにします。その上に障子をおきます。
刷毛に糊をつけ軽くしごき、桟に刷毛の腹で軽く叩くように糊をのせていきます。糊が桟に垂れても気にしない。どんどんのせていきます。しゃぶしゃぶ糊なので乾くのを心配してあせる必要もありません。乾いても後で調整もできます。
ロール状の障子紙を使っています。障子紙は安価なものを使っています。その分、1枚や2枚ぐらい失敗しても大丈夫なように長めのものを買っています。
ロールの端を添付されているシールで仮止めします。ロールを転がして障子に平行して広げることは難しいので、ずれても良いようにロール紙の真ん中が障子の真ん中に来るように仮止めします。仮止めは、真ん中、両端の合計3か所です。こうするとどちら側にずれても余裕代があるので安心です。気を使うこともないです。
仮止めしたら、ごろごろっと転がして広げます。ここでも、丁寧に手でゆっくり転がすより、軽く手ではじいて転がす方が余計な力がかからず皺なく広げられます。
広げたところを見ると、ところどころ糊が付いていません。
ここで、乾いたスポンジが登場です。これは、洗車用のスポンジですが役に立ちます。スポンジで中央から端に向かって軽く拭いていきます。これで糊付きます。紙を破ることなくしっかりと押し付けられるので調子がいいです。
それでも、糊の付かないところができます。その場合は、もう一度糊をつけた刷毛で紙の上から塗ります。塗るというより湿らせます。
このときは、刷毛の糊はしごき目がよいです。たっぷり糊がついていると、にじみが大きくなりすぎます。小さな箇所なら、指に糊をつけて、指の腹でなでてもよいです。
紙の上から刷毛で湿らせた状態です。前述したとおり、糊付けが不足していても、乾いても何とでもなります。
桟の目地に紙をなじませるためにピンが登場します。先の尖ったプラスチック製のピンです。これはよくボンドなどの口を明ける為に付いているものです。ピンの先で目地に沿って軽く筋をつけていきます。この作業は少し気をつける必要があります。ピンが誤って目地から外れて、ピンで紙を破らないようにします。糊で濡れているので、特に破れやすくなっています。金魚すくいの紙状態ですね。
最後に、余分な紙をカットします。紙はぬれているので、普通のペパーカッターでは先が鋭角過ぎて、切れずに引っかいてしまい破けてしまいます。そこで写真のように刃の腹が丸くなったものを使います。これは障子用のカッターです。また、切れなくなった刃も破れる原因になるので新しいものを使います。ここは、ケチらない。
紙を綺麗にカットすることが障子貼りの良し悪しを決める重要なポイントになります。
目地に沿ってステンレス製の押さえで紙を押さえます。押さえが動かないように、軽くカッターを当ててカットしていきます。力の割合は押さえ9割、カッター1割程度です。カッターの刃が押さえの端あたりまで来たら、カッターはそのままで、押さえを移動させて、カッターは続きからカットします。これの繰り返しで障子の端までカットしていきます。押さえを移動させるときは、押さえの角で障子紙を破らないように注意します。
カットしたところは、こんな感じになります。これはかなり綺麗に切れたところです。このように全周に渡って切るのは、かなり神経を使います。
障子(大)の2枚を張り終えた写真です。
障子(小)の4枚を張り終えた写真です。
ここまでで、おおよそ4時間ぐらいです。
仕上げです。障子紙全体に霧吹きして、皺をのばし張りを出します。
写真は、霧吹きしたところです。この程度の濡れ加減です。
乾いて障子張り完了です。ピンと張って気持ちがいいです。剥がす前のものは破れていませんでしたが、張り替えてみると1年分の黄ばみがあったことが改めてわかります。真っ白で気持ちがいいです。
障子をはめたところです。黄ばみなく真っ白でよい年が迎えられそうです。
後記、年明けそうそうに、この障子を3歳の子供に破られてしまいました。ショック!
また、家アラカルトのネタができました。