猫と一緒に暮らすの「あるある」と言えば、猫が家の中をほぼ自由に行き来できるようにドアを少し開けておくと、出入りするたびにドアを開け放すことですね。真冬に暖房中の部屋のドアを開け放し、冷気がドッと流れ込んで、寒い思いをします。そのたびにドアを閉めに行きますが、またすぐに猫が開け放しの繰り返しですね。
ドアの隙間に手を入れて器用に開けます。
すると、ドアが開き放たれ冷気がドッと入ってきます。
お互い気持ちよく暮らせるように改善するぞ~!
穴明け不要のキャットドアのDIY
よくあるキャットドアですね。加工も簡単なのですが、ドア本体に穴を開けることに抵抗があります。
そこで、ドアの穴開け不要なキャットドアをDIYしたいと思います。
キャットドア本体の製作
フローリングをDIYしたときに余った床板1枚を使います。1820㎜の板を縦切りするのは手狭な工房では難儀です。テーブルソーの向きを90度回転させて切れるようにしました。
フローリングの床板に脚を付けます。脚の間を猫が通れるようにしたいと思います。脚は、2×4のSPF材の端材を使います。
床板にボンドで脚を接着しました。釘や木ねじは使いませんでした。
今回使ったボンドはフランクリン社のタイトボンドです。国内ではちょっと値段が高いのですが、板からはみ出したボンドは、固まった後にノミや鉋で板のように削れるので便利です。ボンドの色も黄色ぽく木の色に似ており目立ちません。米国ではポピュラーなボンドです。
床板の両側に、枠を付けます。枠には1×4SPF材の端材を25㎜幅にカットしたもの使いました。
こちらもボンドで接着してクランプで固定します。
床板(上部)の木口を隠すために巾木を付けます。
1×4SPF材を使って切り欠きを入れました。
床板(上部)の木口を巾木で隠します。
床板(下部)には脚部があるので、それを考慮して巾木に切り欠きをいれました。
巾木がきれいに収まりました。
鳥居のようにこの中を猫が通っていく予定です。
枠の間に450㎜おきに補強材を入れます。
450㎜おきに補強材を入れたところです。これでクランプをすべて使い切りました。今日の作業は終了です。乾くのを待ちます。
おもて面ができたところです。
裏面に貼る薄い化粧板(3㎜)をカッターでカットしました。この化粧板は工房を製作したときに余ったものです。15年以上前のものです。流石に裏面は日焼けしてしまっています。
こちらが化粧板の表面です。茶トラ風の柄ですね。ほんとは野地板柄です。(笑)
この化粧板を張り付けます。
ボンドで貼り付け、クランプで固定しました。なんか参道みたい。
裏面も乾き、できました。
ストライク(ラッチ受け)の取り付け
ドアのストライク(ラッチ受け)を裏面に取り付けます。マジックでマーキングしておきます。
これは購入品です。
久しぶりのトリマー登場です。トリマーで掘ります。
深さ寸法はストライクの説明書に記載があります。ラッチ受け部の深さは11㎜、全体の深さは3㎜です。
最初は、中央のラッチ受け部の掘り込み、あとで全体の掘り込みをしました。
トリマーの刃も鈍っているのでバリだらけです。
ノミで整えて何とか見れるようになりました。
こんなもんですかね。掘り込みが浅く、ちょっと浮いてしまいました。
脚部アジャスターの作成
脚部にアジャスターを取り付けて、ドア設置時に調整できるようにしたいと思います。
アジャスターは持ち合わせがないので作ります。
ちょっとカッコよくしたいので、ウォールナットの端材を使います。
トイレのタオル掛けをDIYした時もウォールナットの端材を使いました。端材を持っておくと、小物を作るときに役に立ちますね。特に特徴のある木材をもっておくといいですね。
15㎜幅で2枚カットし、Φ30の円を罫書きました。
自作バンドソーで荒切りします。
自作したバンドソーの製作まとめです。
自作ディスクサンダーを使って、円の罫書きに沿って研磨します。
センターファインダーを使って、中心を罫書きます。
ボール盤でΦ6.5の貫通穴とΦ12の座繰りを開けます。
M6ボルトをワッシャと高ナットで締め付けて、ボルト頭を座繰りに埋没させます。
力が必要なのでラチェットで締め付けました。
最後に角を丸めて、ウォールナットワックスで仕上げました。全体が薄い色の木に濃い色でワンポイントになると思います。
脚部側にM6の爪付きTナットを埋め込んで、アジャスターを付けます。
下穴として、Φ8ドリルで25㎜ほど開けました。
両脚部にアジャスターを取り付けたところです。これで床にちょうど接地できるように調整できます。
百均リメイクシートで木口の仕上げ
木口は、合板、SFP材、フローリング材の張り合わせた断面になっており、オシャレじゃないですね。
そこで、木口を木目調の百均リメイクシートで仕上げます。普通は木口テープを使うのですが、木口が35㎜もあるのでテープは使えません。
かと言って、リメイクシートの幅は450㎜もあり、そのままではほとんど無駄になってしまいます。そこで、リメイクシートの木目の板幅でカットします。
カットすることで90㎜×900㎜が5枚取ることができます。
90㎜幅のシートを使って35㎜の木口に貼ればよいですね。多少斜めっても全く問題ありません。
はみ出た部分はカッターでカットすれば出来上がりです。
木口面の傾斜切断
さて、今DIYにおける最大の難関箇所にやってきました。リビングのドアのラッチ部がストライク(ラッチ受け)で受けられるようにします。
そのためには、キャットドア全体を5度程度斜めに設置する必要があり、2m近くある木口面を5度程度斜めに切断しなければなりません。
テーブルソーで5度カットします。まずは、デジタル角度計を使って、チップソーを5度に傾けます。
このデジタル角度計を使っています。お手頃価格で便利なツールですね。
これはカットした後に写真を撮っています。2m近い本体を上からとフェンス側に押さえながらゆっくり送っていきました。
実際にカットするまでに何度もイメージトレーニングしてから実行に移しました。失敗すれば今までの作業がおじゃんですからね。
これは脚側から見ています。脚の右側面が傾いているのがわかりますかね?
2mほど先まで5度ほど斜めにカットしています。
ドアへの設置金具の取り付け
これは曲げ板(長さ482㎜、幅15㎜、厚み1㎜)という金具です。取り付け側の形や向きに合わせて比較的容易に曲げることができる板です。これも10年以上も使わずに保有していたものです。やっと使う時が来ました。
下側は必要な長さにカットして、グラインダーで面取りしたものです。
キャットドア本体の上側の木口に鬼目ナットをつけて、M6ボルトで曲げ板金具を固定します。
このように45度程度の傾きで金具を固定します。リビングルームドアの上枠にM6ボルトで固定します。
次に本体脚部に貫通穴を開けて、M6ボルトでリビングルームドアの縦枠に固定します。
リビングルームドアの縦枠側には鬼目ナットを取り付けます。ちょうど良い長さのM6ボルトがなかったので、長めのボルトをカットして使います。マキタのハンドグラインダーで切断しました。
グラインダーを使えばM6ボルトなんて簡単に切断できますね。
ネジ頭にはキャップカバーを被せて仕上げます。
以上で工房でのキャットドア本体の作りこみが終わりました。あとは現場作業です。
キャットドアの設置
リビングルームドアの縦枠下部に鬼目ナットを埋め込みました。
キャットドアの脚部をボルトで固定して、キャップカバーを被せて完了です。
上枠に曲げ板金具をボルトで固定しました。こちらも鬼目ナットを埋め込んでいます。
戸当りは、配線を目隠しするモールで代用します。ちょうど色目の合った木目調モールがありました。
モールのままだとドアを閉めた際にバタンと音を立ててしまうと思います。
ホームセンターに「ドアの戸あたり音を静かに」という文字通りの商品がありました。これも使いましょう!
粘着テープでモールに貼り付けました。
木目調のモールが同化して区別がつきませんね。「ドアの戸あたり音を静かに」のブラウン色で辛うじてわかる程度です。右側のストライクは元のリビングルームのドアのものです。
キャットドアの完成
キャットドアの設置が完了しました。元のドアの色目と合っていて一体感があります。
キャットドアの入り口です。高さ250㎜、幅135㎜で我が家の猫なら問題なく通り抜けられるサイズです。余力があれば、暖簾(のれん)か何か可愛くしたいですね。
さてさて、プーマ、ルークに気に入ってもらえるでしょうか?
その様子を動画にアップしましたのでご覧ください。