【家アラカルト】キッチン隙間収納、スライドレール・ストッカーをDIYしました ~設計編~

家アラカルト

 我が家のキッチンを使いやすくしたいとの要望で、キッチンシステムの使えていない隙間収納にスライドレールを使ってスライドストッカーをDIYしたいと思います。

まずは現場検証からです。

 この矢印のところです。壁際で使いづらく、この24年間全く使えていませんでした。
ちなみに24年前のコンロだけあって、ロータリースイッチです。(笑)

 扉を開いたところです。間口は12㎝ほどです。出っ張っている扉の金具も邪魔です。

 でも、コンロのすぐ下なので、調味料などを手元で取り出せれば便利そうです。

スライドストッカーの設計

 隙間を有効活用できるように、キッチリ採寸して最大限活用できるようにしたいと思います。

 採寸してDesignSpark Mechanical(フリーの3D CAD)でモデル化しました。幅120㎜、高さ628㎜、奥行き553㎜の容積を活用できるようにします。

 隙間に入るストッカーで、片壁を有孔ボードしました。有孔ボードにフックを使って調味料を収納できるようにしたいと思います。

 この有孔ボードはΦ5×P25の規格ものです。「Φ5×P25」は穴の直径が5㎜で穴の間隔(ピッチ)が25㎜のものです。

 フック付きの棚です。これを有孔ボードに取り付けます。これなら後で取り付け位置を変更できるので、調味料入れに合わせて調整できると思います。このフック付き棚を2つ作成する予定です。

設計ポイント:フック間の距離を決める

 フック付き棚は有孔ボードに引っ掛けられるように、フックの位置は有孔ボードの穴の位置に合うように設計する必要があります。

 つまり、フック間の間隔は、25㎜の倍数になるように設計します。このフック付き棚のフック間距離は500㎜にしました。

設計ポイント:ガードレールの幅を決める

 次の設計ポイントは、フック付き棚のガードレールの幅です。この幅によって、置ける調味料入れの大きさが決まります。我が家で一番大きな調味料入れは天ぷら揚げなどに使うサラダオイルです。サラダオイルの入れ物が棚に収まる必要があります。

 サラダオイルの入れものを測定すると、最大90㎜ありました。今回、ガードレールの幅は最大102㎜確保できましたので、サラダオイルも問題なく置くことができます。

設計ポイント:ガードレールの高さを決める

 最後にガードレールの高さを決めます。これは調味料入れの高さが関係してきます。我が家の調味料入れのサイズのほんとんどが110㎜でした。また、キッチンで浅い引き出しの深さが68㎜でした。

 そこで、調味料入れが倒れないような高さ、高すぎるとガードレールと棚板の間から落ちてしまうので、調味料入れの半分程度の高さ、つまり55㎜程度になります。また、引き出しの深さが68㎜ということで、最終的にガードレールの高さは68㎜としました。ガードレール自身の幅は16㎜程度あるので、52㎜(=68-16)となり、調味料入れ高さの半分の55㎜もカバーできています。調味料入れも安定しておけると考えました。

フック付き棚の作成方法

 フックやガードレールは金属で棚板は木材という組み合わせなので、作成方法を決めておきます。

 フック付き棚は、棚板、フック金具、ガードレールの部品で構成しています。フック金具とガードレールは溶接する予定です。フック作りや溶接DIYの実績があるので可能と考えました。

アイアンの曲げや溶接は、以下のDIYを参照ください。

フック作りは、以下のDIYを参照ください。

 棚板に溝を切って、溝の奥にフックの金具を通す穴を開けて、フックを棚板に嵌めます。フックと穴の関係はしばりばめ(※)にして圧入して抜けないようにします。

※はめあいの種類
  • すきまばめ:軸径より穴径の寸法が大きく、軸と穴に隙間がある状態。隙間があるので軸は穴に対してスライドしたり、回転させることができる。
  • しばりばめ:軸径より穴径の寸法が小さく、締め代がある状態。そのままでは、軸を穴に入れることができず、軸を穴に圧入する。軸を穴に嵌めて固定させることができる。
  • 中間ばめ:すきまばめとしばりばめの中間のはめあいの状態。隙間と締め代が生じるのでしばりばめ程の圧入力は必要とせず挿入することができる。

 フックと棚板の断面です。こんな感じでフックを固定します。

 設計したのがこのストッカーです。上の2つがフック付き棚で、一番下は棚板が不要なのでフック付きガードレールになります。

スライドレールの取り付け方法

 次にストッカーにスライドレールを取り付ける方法を決めます。

 ストッカーをスライドさせて奥のものも容易に取り出せるようにします。

 普通、スライドレールは引き出しの両横に取り付けますが、今回は底に付けてみようと思います。
引き出しのように横に付けると、スライドレールの幅分、間口が小さくなり十分な活用ができなくなるからです。

セルフ&ソフトクロージング機構付きスライドレールの採用

 調味料やサラダオイルなど多数の液体ものを収納するので、そこそこの重さになります。勢いよく閉めると、調味料入れが倒れて液漏れのリスクがあります。そこで、ゆっくり静かに閉まるスライドレールを採用することにしました。

出典:スガツネ工業 スライドレール 4670-550

 今回使用するセルフ&ソフトクロージング機構付きスライドレールです。初めて使うスライドレールです。

  • セルフ&ソフトクロージングとは、引き戸や引出しが閉まる間際に、引き込む速度が低速になり、ゆっくり静かに閉まる機構です。引き出し始めが多少重くなります。

 スライドレールの中央にあるダンパーにより引き込む速度が低速になります。また、スライドレールの両端にある引張バネで引き込みます。ダンパーと引張バネによりゆっくり静かに閉まるというわけです。

 元々のキッチンシステムの収納扉をスライドストッカーの化粧板に使います。こうすることでキッチン全体としてデザインを変えずに済みます。元々の取っ手はそのまま使えるか、引き出しやすい取っ手に変更するかは出来上がってから確認したいと思います。

設計完了したスライドストッカー

 設計完了したスライドストッカーの動作アニメーションです。

 こんな感じでスライドストッカーを引き出して調味料などを素早く取り出せるように作成したいと思います。

木材不足

 最近、木材の供給不足でシナ合板の有孔ボード(厚み5.5 Φ5×P25)が入手困難な状況です。ホームセンターに行っても、厚み5.5の450×910サイズはありますが、910×910、910×1820は置かれていません。今回は少なくとも560㎜×610㎜程度のサイズが必要で、探しているところです。

 作成できるところからぼちぼち着手していき、作成できましたら投稿したいと思います。

(続く)

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