引き出しの取っ手を掘り込みます。取っ手の治具を作り、トリマーで掘り込みます。治具は余っていた4mmのシナ合板で作りました。トリマーの治具を作るときは、トリマーのテンプレートガイド径とビット径を考えて作る必要があります。
左図のようにトリマービットで材料を切削しようとすると、A-Bだけ治具をオフセットする必要があります。
Aはテンプレートガイドの半径
Bはトリマービットの半径
材料の外周を切削する場合と内周を切削する場合でオフセット方向に注意が必要です。図面をCADのようなソフトウェアで作成している場合はオフセット機能で簡単に治具を設計できますが、機能がない場合は少々手間がかかります。
掘り込んだところです。いい具合に掘り込めました。事前に試し彫りをして出来具合と加工性を確認しています。また、治具の微調整も行います。治具があると、何個でも同じものを製作できます。あとで、もうひとつ机を作る予定なので治具は大切に保管しておきます。
掘り込んだところの拡大したものです。あと、取っ手の周囲をボーズ面に加工するのと、引き出しやすくするために上部を窪ませ、指が引っかかるようにします。
これで取っ手の加工ができました、あとはサンドペーパで丁寧に研磨すれば完成です。
引出しの箱に先ほど加工した前面板を取り付けます。取り付けは、ワゴンに引出しの箱をセットしておき、前面板3枚を調整して取り付けます。引出しが干渉しないように隙間を取ります。隙間は2mmとして、厚み2mmのスペーサ(木片)を用意しておきそれを挟んで、前面板を取り付けます。取付は木工ボンドでまず接着し、クランプで圧着します。2時間ほどである程度固定できますので、その後写真のように皿ネジで固定しました。皿ネジは錆びないようにステンレスです。
上段の引き出しには、鍵を取り付けました。これは家具用の鍵です。取付は、前面板に鍵本体を埋め込みました。ここでもトリマーが力を発揮してくれます。きれいに収まりました。
前から見たところです。鍵穴が見えますが、ここに見た目をよくする鍵穴のハトメを取り付けて完成です。写真まだハトメをつけていません。塗装が終わってから取り付けます。
鍵をかけたところで、バックセットがうまく飛び出しているのがわかります。ワゴン本体側にバックセット受けを掘り込みます。これもトリマーで掘り込みました。
ワゴンに組んでみました。図面通りにできてきました。まだ、全て角張っていますので丸めて処理します。
スムーズに出し入れできます。うれしくなってきます。
引出し前面板の外周をボーズ面加工して丸めます。
トリマーにボーズ面ビットを取付けました。ビット先端にベアリングがついており、ベアリング位置まで切り込むことになり、ベアリングを転がしながらトリマーを動かすことで角をボーズ面に加工できます。この味をしめるとトリマーの虜になります。
ボーズ面ができました。まだトリマーの扱いに慣れていないので少し焦がしてしまいました。慎重にやってしまうとすぐ焦げができてしまいます。慎重かつ大胆さが必要ですね。
木口の短いところを加工するのは難しいので、当て木でトリマーの移動距離を稼いでいます。
きれいにコーナー処理ができました。わくわくしてきます。これを3枚とも丸め処理します。
下段の引き出しは大きいので引出しにもキャスターを取り付けます。キャスターをつけることで、重量物を入れても、らくらく引き出せます。また、引き出したときにワゴンが重みで前に倒れ込まなくなります。
キャスターを納めるためにワゴン本体の下部に切り欠きを入れます。切り欠きもトリマーで加工しました。そのため治具も作り、きれいに加工できました。
上記でも説明しましたが、治具と切削された材との間でオフセットされているのがわかります。
のこぎりで切ると、コーナーの部分が鋭角になってしまいますが、トリマーで切削することでコーナーR(アール)を自然につけることができます。
引出しの裏面にキャスターを取り付けました。
キャスターを取り付けたところの拡大です。キャスターの台座がワゴン側のキャスター収納部に収まります。台座の高さはきっちり、ワゴン側キャスター取付位置と面一(めんいち)になるようにします。そうしないとキャスターが宙に浮いたり、反対にワゴン側キャスターが浮いてしまいます。
ワゴン本体裏にもキャスターを取り付けます。
ワゴンの組立が完成しました。引出しもスムーズに引き出せます。下段引き出しもキャスターのおかげで傾いたりしません。
引出しを閉じたところ、収まりも問題ありません。隙間も全段とも均一で問題なし。
あとは、塗装だけです。塗装は、机本体とあわせて行う予定です。